東京市場まとめ

1.概況

日経平均は、105円高の45,042円と続伸で寄付きました。前日の米国市場で主要3指数が揃って最高値を更新し、中でも半導体関連銘柄などが買われたことで日本市場もハイテク株が堅調なスタートとなりました。寄付きから、上げ幅を拡大した日経平均は、前場中ごろには45,700円台まで上昇し、647円高の45,584円で前引けとなりました。

後場も高値圏での推移となった日経平均は徐々に上げ幅を拡大し、15時2分に841円高の45,778円をつけ、取引時間中の最高値を更新すると、その後も高値圏のまま推移し、最終的に832円高の45,769円を付け史上最高値を更新し取引を終えました。

新興市場では東証グロース250指数が5日ぶりに反発、2.2%高となりました。

2.個別銘柄等

日立製作所(6501)は10.3%高の4,300円をつけ大幅続伸となりました。3日の日本経済新聞などにより「日立と米オープンAIはAI向けデータセンターの電力関連技術などで提携する」と報じられました。オープンAIが整備しているデータセンター向けに同社が送配電設備や空調技術を提供するとのことで、これによる業績貢献に期待した買いが集まりました。

良品計画(7453)は7.4%安の2,690円をつけ大幅反落となりました。2日に発表した9月の国内既存店売上高(オンラインストアを含む)が前年同月比1.1%減となり、2024年1月以来1年8ヶ月ぶりの減収となったことを嫌気した売りが出ました。

富士通(6702)は3.7%高の3,523円をつけ6日ぶりとなる、大幅反発で取引を終えました。3日、米半導体大手のエヌビディア[NVDA]とAI分野での協業を拡大すると発表し、AI関連の業績拡大を期待した買いが優勢となりました。

クスリのアオキホールディングス(3549)は5.7%安の3,567円をつけ3日続落となりました。2日発表した2026年5月期(今期)の第1四半期決算は、純利益が前年同期比4.1%減の50億円となり、今期の当期純利益も前期比12.9%減の155億円とする従来見通しを据え置き、利益拡大は当面見込みにくいとの見方が売りを呼びました。

土壌汚染調査などのダイセキ環境ソリューション(1712)はストップ高水準となる25.0%高の1,499円を付け大幅続伸となりました。2日、親会社のダイセキ(9793)が同社にTOB(株式公開買い付け)を実施することを発表しており、買い付け価格は1株当たり1,850円と、前日終値(1,199円)を大きく上回っていることから、買い付け価格にさや寄せする形で買いが殺到しました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は週間で0.9%高、最高値を更新し取引を終えました。来週に向けての材料は明日に控える自民党総裁選の結果があげられます。高市前経済安保担当相が就任した際には、マーケットフレンドリーな政策から株高が連想されますが、いずれの候補者であっても少数与党での政権運営となり、来週はどの野党と連立するかなどに焦点が移り、マーケットも株高一色とはなりづらいものと考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)