東京市場まとめ
1.概況
日経平均は続伸となる74円高の43,452円で寄付きました。先週末の米国市場では高安まちまちの内容となるもリスク選好姿勢が継続し、買いが優勢でのスタートとなりました。半導体関連株の一角に売りが出たことで、中ごろには伸び悩む場面が見られるも前場の後半にかけて持ち直し、379円高の43,757円で午前の取引を終えました。
後場も高値圏での推移となり、後場寄り後の12時42分に456円高の43,835円をつけ本日の高値を更新しました。中ごろから大引けにかけても上げ幅を縮小するも、総じて堅調な推移となった日経平均は最終的に336円高の43,714円で最高値を更新し、大引けとなりました。TOPIXも買いが優勢し、終値では13ポイント高の3,120ポイントと続伸で最高値を更新し、取引を終えました。
新興市場では東証グロース250指数が3日続伸、1.5%高となりました。
2.個別銘柄等
自動車メーカーのスズキ(7269)は10.2%高の1,966円をつけ3日ぶりとなる大幅反発となりました。「インド政府高官は10月までに消費者と企業に課す消費税を減税すると明らかにした」と伝わり、インド市場が主力の同社にとって、減税で消費が喚起され自動車の販売が伸びるとの思惑から買いが入りました。
東京エレクトロン(8035)は2.1%安の21,045円をつけ反落となりました。トランプ米大統領は15日、近く公表する半導体関税を巡り「200%や300%になるかもしれない」と、将来的に税率を引き上げていく考えを明らかにし、これによる業績下押し懸念が半導体関連銘柄の売りを呼びました。レーザーテック(6920)は3.3%安、ディスコ(6146)は2.7%安となりました。
任天堂(7974)は一時2.7%高の14,795円をつけ株式分割考慮後で上場来高値を更新しました。6月に発売したゲーム機「Nintendo Switch2(ニンテンドースイッチ・ツー)」の売れ行きが好調で、引き続き業績拡大に期待する買いを集めています。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)は0.8%安の2,871円をつけ4日続落となりました。15日、アクティビストとして有名なストラテジックキャピタルから求められていた臨時株主総会について9月24日に開催すると発表するも、同日開いた取締役会では、アクティビスト側の求める森下一喜社長の取締役解任提案については「反対」すると決議し、これによる経営改革の遅れなどを懸念する売りが出ました。
TENTIAL(325A)はストップ高水準となる17.3%高の4,750円をつけ大幅反発となりました。先週末15日の大引け後、2025年8月期(今期)の単独税引き利益が約8億円を見込むと発表し、従来予想の4億6,400万円から大幅な上方修正を好感する買いが殺到しました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均、TOPIXともに最高値を更新し日本市場の強さがうかがえる内容となりました。明日に向けて、米国では住宅市場センチメント指標である、8月のNAHB住宅市場指数の公表が今晩23時に予定されていますが、株式市場への影響は限定的でしょう。
今週はジャクソンホール会議が予定されており、22日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演が注目され、そこまではもみ合いの展開が予想されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
