東京市場まとめ
1.概況
日経平均は146円安の40,340円と反落で寄付きました。前日まで2,000円強上昇していたことから、短期的な過熱感が意識され幅広い銘柄に利益確定の売りが出ました。朝方に大きく下落し、その後も軟調な推移となりました。前場の後半に40,100円を割り込んだあたりで下げ渋ると、405円安の40,081円で前引けとなりました。
後場も基調は変わらず、開始早々に節目の4万円を割り込みました。その後は持ち直し、一時は40,159円まで上昇するも、大引けにかけて下げ幅を縮小した日経平均は15時2分に602円安の39,885円をつけ本日の安値を更新しました。終始軟調な展開であった日経平均は最終的に501円安の39,986円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が反落、2.0%安で取引を終えました。
2.個別銘柄等
古河電気工業(5801)は3.8%高の7,298円をつけ反発となりました。国内証券が同社の目標株価を従来の8,700円から9,300円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。なお、投資判断は3段階で最上位の「バイ(買い)」に据え置かれています。アナリストは光ケーブル需要の好調さなどに触れ「米関税の影響を考慮しても会社計画の達成は可能」と分析しています。
しまむら(8227)は一時6.8%高の10,805円をつけ年初来高値を更新しました。6月30日に発表した2026年2月期の第1四半期決算は、純利益が同期間として2年連続で最高益を更新する前年同期比3.5%増の108億円となり、業績拡大を好感した買いが優勢となりました。
象印マホービン(7965)はストップ高水準となる22.4%高の1,637円をつけ大幅反発となりました。6月30日、2025年11月期(今期)の営業利益が従来予想から12.5億円引き上げとなる前期比17.5%増の70億円になる見通しだと発表し、併せて自社株買いと配当計画の引き上げも発表したことで買いが集中しました。
J.フロント リテイリング(3086)は0.6%安の1,950.5円をつけ続落となりました。6月30日、2026年2月期の第1四半期決算にて、純利益が前年同期比7.4%減の104億円であったと発表し、減益決算を嫌気した売りがでました。インバウンドによる免税売上高の減少が影響しています。
就活サイトのワンキャリア(4377)は一時4.8%高の2,385円をつけ年初来高値を更新しました。国内証券が同社の投資判断を5段階で最上位の「A」として新規に調査を開始したと伝わり、また目標株価は足元の水準を上回る2,600円とされたことで、株価の先行きに強気な見方から買いが入りました。一方で、高値更新後は利益確定の売りが出て、終値では0.1%安の2,272円で取引を終えました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は1.2%安と6日ぶりに反落となりました。短期的な過熱感から、幅広い銘柄に利益確定の売りが出ました。明日の材料は、今晩発表される6月の米ISM製造業景気指数があげられます。3ヶ月連続で節目の50を下回っており、また本来は米国の製造業を守るためと進められている米政権の関税政策も足元では景況感の改善につながっておらず、今回の発表値でも基調に変化が見られるかに注目です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)