今週(6月16日週)の日経平均は38,500円の上値の壁を超えられるかが焦点
日経平均は38,500円に近づくと戻り売りが強くなり、下に押し戻される展開が続いています。一方、先週(6月9日週)末の変化日から週明けは大幅反発となり、今週(6月16日週)は38,500円の上値の壁を超えられるかが焦点です。ただ、2024年10月以降の保ち合いが約5ヶ月続いたのに対して、2025年5月中旬からの保ち合い期間はまだ1ヶ月程度です。したがって、上値の壁といえるほど大げさな節目ではなく、売り物以上の買い物が発生すれば、すぐに上抜ける水準でしょう。
一方、一段上の水準である4万円のフシを突破するのは簡単ではないかもしれません。なぜなら、保ち合い期間が1ヶ月程度の短い期間だと、上放れた後の上昇もそれなりにしかならず、上値は限定的となりやすいためです。
「225銘柄のリターンリバーサルを検証」で挙げた銘柄を再検証
5月13日のコラム「225銘柄のリターンリバーサルを検証」で挙げさせていただいた銘柄群の検証を行います。実際、前回のテーマは「検証」ではなく「実施」であったのに対して、今回は「検証」となります。
前回は日経平均が75日線を上回り、取引時間中の高値(38,494円)をつけたタイミングでした。当時は225採用銘柄すべてが75日線を上回っていたわけではありません。5月12日現在で、75日線を上回っていたのは128銘柄、下回っていたのは97銘柄でした。
一方、1ヶ月経過してもその状況は大きく変わらず、6月16日現在で75日線を上回っているのは132銘柄、下回っているのは93銘柄です。そうした点からも、銘柄間の強弱格差には大きな変化はないといえるでしょう。上記のように、日経平均が上放れた後の上値が限定的になる根拠になるかもしれません。
電線株やIHI(7013)のような防衛株などのテーマ株が、相場を作っている雰囲気が強いか
当時、最も75日線から上方にかい離している銘柄群、最も75日線から下方にかい離している銘柄群を探し出し、上方かい離の銘柄群を「売り」、下方かい離の銘柄群を「買い」とした場合、1ヶ月後にどうなったか、をいろんな角度で検証してみようと記載しました。以下が採り上げた銘柄群と当時の75日線からのかい離率です。今回はそれに加え、5月12日~6月16日までのパフォーマンス、225採用銘柄中のパフォーマンス順位を掲載しました。
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(売り対象)
銘柄名 かい離率(%) 5/12-6/16 順位
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住友ファーマ(4506) 31.11 +14.6% 16
IHI(7013) 22.91 +27.8% 6
日本電気(6701) 22.04 +8.0% 30
ベイカレント(6532) 20.28 -7.3% 203
鹿島建設(1812) 18.08 +1.4% 94
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(買い対象)
銘柄名 かい離率(%) 5/12-6/16 順位
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セイコーエプソン(6724) -15.04 -7.7% 208
古河電気工業(5801) -14.63 +40.8% 1
安川電機(6506) -14.62 +0.3% 108
レゾナックHD(4004) -13.71 +10.2% 25
村田製作所(6981) -13.11 +0.6% 104
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振り返ると、225採用銘柄のリターンリバーサルは有効には機能せず、相対的に過熱感が強かった銘柄でもベイカレント以外は下げていません。一方で、相対的に値ごろ感が強かった銘柄では古河電気工業やレゾナックHD以外ははっきりしません。依然として、古河電気工業のような電線株やIHIのような防衛株などのテーマ株が、相場を作っている雰囲気の方がまだ強いようです。