【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,519.64  △214.16 (6/3)
NASDAQ: 19,398.96  △156.35 (6/3)

1.概況

昨日の米国市場では、主要3指数がそろって続伸しました。寄付き後は、取引開始前に伝わったOECD(経済協力開発機構)による世界やアメリカの成長率見通しの引き下げが投資家心理を下押しし、一時的に下落する場面も見られました。しかし、トランプ米政権が中国を含む貿易相手国・地域との交渉を進展させるとの期待が相場の支えとなり、上昇に転じました。また、米国の労働指標が市場予想を上回り、景気減速への懸念が和らいだなか、生成AI関連の半導体株を中心に買いが集まり、指数を押し上げました。

ダウ平均は前日終値とほぼ同水準の42,304ドルで取引を開始し、一時は119ドル安の42,186ドルまで下落する場面もありました。安値を付けた後は反転し、買いが優勢になると262ドル高の42,568ドルでこの日の高値を付けました。最終的には214ドル高の42,519ドルで取引を終え、4日続伸となりました。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は156ポイント高の19,398ポイント、S&P500株価指数は34ポイント高の5,970ポイントで取引を終え、いずれも続伸しています。

2.経済指標等

4月の米製造業新規受注は前月比3.7%減となり、市場予想の3.1%減を下回りました。4月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数は前月比19万1000件増の739万1000件となり、市場予想を上回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数は、全11業種のうち8業種が上昇となり、特に情報技術とエネルギーが1%以上上昇しました。そのほか、素材や資本財・サービス、一般消費財・サービスなどが1%未満の上昇となりました。一方で、コミュニケーション・サービスと不動産、ヘルスケアの3業種が1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は、全30銘柄中22銘柄が上昇となりました。なかでも、エヌビディア[NVDA]が3%近く上昇したほか、ホームデポ[HD]やキャタピラー[CAT]、ナイキ[NKE]、シェブロン[CVX]、スリーエム[MMM]、メルク[MRK]、セールスフォース[CRM]が1%超上昇しています。一方で、8銘柄が下落となり、なかでもコカコーラ[KO]とユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が1%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ダラー・ゼネラル[DG]が、15.8%上昇してS&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。同社は、第1四半期決算で既存店売上高やEPS(1株当たり純利益)が市場予想を上回ったほか、通期の売上高見通しも上方修正したことが好感されています。また、通信機器のクレド・テクノロジー・グループ・ホールディング[CRDO]は、第4四半期決算で売上高、EPSが市場予想を上回ったほか、ガイダンスも好調でアナリストによる目標株価の引き上げも伝わり、株価は14.8%上昇しました。また、ブロードコム[AVGO]は決算発表を控えるなか、アナリストによる目標株価の引き上げも伝わり、株価は過去最高値を更新しました。一方で、コンシューマーヘルス製品のケンビュー[KVUE]は、同社のCEO(最高経営責任者)が関税による不確実性の高まりにより、消費者が支出を抑制し続けていると述べたことを受け、6.2%下落して、S&P500株価指数構成銘柄の値下がり率ランキングでワーストとなりました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前日から0.01%高い4.45 %で取引を終えました。ドル円は、円安方向に進展し、144円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場で主要3指数がそろって続伸した流れを受け、本日の日本市場も上昇して始まることが予想されます。特に、米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が2.7%上昇したことから日本市場でも半導体関連株の上昇が期待されます。また、国内では中小型株の堅調な動きが続いており、東証グロース250指数は昨日、年初来高値を更新しました。この勢いが本日も続くか、中小型株の動向にも注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)