東京市場まとめ

1.概況

日経平均は62円高の50,475円と、続伸して寄付きました。前日の米国市場で主要3指数が揃って4日続伸し、中でもS&P500株価指数が史上最高値を更新した流れを受け、日本市場でも買いが先行しました。

寄付きから堅調な推移となった日経平均は、10時23分に224円高の50,636円をつけ、本日の高値を更新しました。しかし、その後は徐々に伸び悩み、前場を68円高の50,481円で終えました。

後場は持ち高調整の動きが強まり、中盤に下落に転じました。14時2分に88円安の50,323円をつけ、本日の安値を更新しました。終盤にかけても小幅安での推移が続き、最終的には68円安の50,344円と、4日ぶりに反落して取引を終えました。

TOPIXは15ポイント安の3,407ポイントで同じく4日ぶりに反落、一方、新興市場の東証グロース250指数は小幅高ながら続伸となりました。

2.個別銘柄等

SCREENホールディングス(7735)は10.0%高の14,920円をつけ、大幅高となりました。外資系証券が同社の目標株価を従来の1万6200円から2万4400円へ大幅に引き上げたことが材料視されました。アナリストは「2025年11月中旬から前工程装置市場は本格的な回復局面に入った」との見解を示しています。

イオン(8267)は1.9%高の2,474円をつけ、続伸となりました。年内の少額投資非課税制度(NISA)枠を使い切ろうとする個人投資家の「駆け込み」の思惑から、株主優待などで人気の高い同社に資金が流入しました。

トヨタ自動車(7203)は1.8%安の3,353円をつけ、続落となりました。米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が同社車両5万5405台のリコールを発表し、業績への影響が懸念されたほか、足元で円高ドル安基調に振れている為替相場も重荷となりました。

東邦チタニウム(5727)は6.1%高の1,353円をつけ、大幅続進となりました。山尾康二社長が、航空機向け「スポンジチタン」について「2026年後半から需要が回復する」との見通しを語ったことが伝わり、将来の収益貢献を期待する買いが優勢となりました。

本日東証グロース市場に新規上場したフツパー(478A)は、公開価格1,020円に対し31.8%高い1,344円で初値をつけました。製造業向けAIサービスを手掛ける同社に対し、足元のAI関連への関心の高さを背景に序盤は資金を集めましたが、徐々に伸び悩み、終値は公開価格比22.5%高の1,249円で初日の取引を終えました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均、TOPIXともに反落となりました。半導体関連が下値を支えたものの、自動車や銀行など幅広いセクターで利益確定売りが目立ちました。

明日の米国市場はクリスマスイブのため短縮取引となり、市場参加者が減少することから材料難の展開が予想されます。国内では、植田日銀総裁が日本経済団体連合会(経団連)の審議委員会で講演を行う予定です。足元の金利上昇や為替相場の変動について、総裁がどのような認識を示すのか、注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)