ついに3月26日の戻り高値の水準を上回り、反発が継続中
前回のコラムでは「FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果と発表後のパウエルFRB議長の会見での発言を受け、上向きの5日と下向きの75日移動平均線のどちらをブレイクするかが注目されます」と解説しました。また、「75日移動平均線を上回って維持するようなら、反発が継続していることになり、3月26日と27日のあいだにあけた窓を埋めることも視野に入りそうです」とも解説しました。
実際に、FOMCの結果発表後も上向きの5日移動平均線上を維持したことに加え、米中関税協議で両国が関税率を引き下げると発表したことが好感され、75日移動平均線を上回りました。3月26日につけた戻り高値の水準を上回って、5月13日の取引を終える結果となっています。
また、上向きの5日移動平均線が75日移動平均線を上回っており、ゴールデンクロスも発生しています。こうした状況から株価の反発が継続していると考えられそうです。では、今後の展開について、どのように判断すればよいでしょうか?
注目すべきポイントは、引き続き上向きの5日移動平均線上を維持できるかどうかです。仮に5日移動平均線上を維持するようなら、株価水準が切り上がることに加え、38,000円台を維持することが期待されます。
一方で、5日移動平均線を下回って戻せなくなったり、値幅を伴う下落が発生したりするようなら、これまでの上昇の反動が出て利益確定売りに押されることが考えられるため、トレンド転換に注意が必要です。

トレンド転換時の注意点は?
では、仮にトレンドが転換した場合、注意すべきポイントはどこでしょうか?それは「窓埋め」です。チャートを見ると、5月12日と13日のあいだに大きな窓があいていますが、ほかにも4月22日から5月13日までのあいだに4つの窓があいています。
4月7日に安値をつけた後に株価が反発する過程で、3月26日と27日の間にあけた窓の水準まで戻しましたが、反発する過程で前述のように窓をあけていることから、株価水準は戻したものの、「埋められていない窓」も存在します。そのため、下降トレンドに転換した場合、これらの窓を埋めることも視野に入ります。
また、その場合、上向きに変化した25日移動平均線の下に位置している4月22日と23日のあいだにあけた窓まで下落することになり、25日移動平均線を下回ることも考えられます。そのため、下げたところを安易に買い向かうのは、損失の発生や拡大につながる可能性があるため、慎重に売買タイミングを計るようにしたいところです。
モメンタムは緩やかに水準を切り上げ、高水準を維持
続いて上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムについてです。前回指摘したように、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が緩やかに上昇しており、日経平均は緩やかながらも上昇の勢いが強まっていると考えられることから、引き続き上向きの5日移動平均線上を維持することが期待されます。
一方で、2本線が横ばいから下向きに変化したり、低下して上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインに接近したり、割り込んだりするようですと、上昇の勢いが弱まるとともに下落の勢いが強まり、25日移動平均線辺りまで下落したり、割り込んだりすることが考えられるため、リバウンド狙いの買いは下げ止まりを確認してから慎重に行うようにしたいところです。