2025年は「銅」関連銘柄が大幅高
東京株式市場は2025年の取引を終えました。2025年の株式市場を漢字一文字で表すと、「銅(どう)」と言っても過言ではありません。銅の市況が大幅に上昇し、関連銘柄が大幅高を演じました。銅だけではなく、金や銀などの商品市場全般が堅調でした。
業種別の上昇率で断トツトップの非鉄金属セクターには、三井金属(5706)のほか、AI関連として注目された古河電気工業(5801)やフジクラ(5803)、SWCC(5805)といった電線株だけではなく、住友金属鉱山(5713)やDOWAホールディングス(5714)、三菱マテリアル(5711)、JX金属(5016)など銅関連と称される銘柄が多く入っていて、2025年の非鉄金属セクターの上昇を強くけん引しました。
銅の上昇要因は?
2025年の銅の上昇要因はさまざまですが、鉱山事故などに伴う操業トラブルがあったほか、トランプ政権による輸入関税強化への警戒で、銅が米国に流入したとの見方もありました。
銅は導電性や耐食性などに優れていて、建物の配線や送電網、エネルギー貯蔵システム、インフラ部品などに不可欠な材料といわれています。2025年の株式市場では、AIデータセンターの増設に伴う送電線の需要増大への思惑が、銅の需要を強めているとの連想が働きました。
2026年も銅需要はさらに増す?
さて、LME(ロンドン金属取引所)銅3ヶ月先物は12月の上昇で、2022年3月高値と2024年5月高値を通る上値抵抗線の節目を突破したばかりです。2026年も一段と上昇するのでしょうか。
株式市場で次に銅の需要が増大するという連想が働きやすいのは、電気自動車(EV)の拡大でしょう。EVはガソリンやディーゼル車に比べて多くの銅を必要とするらしく、バッテリー、配線ハーネス、電気モーターなどに使用されます。充電インフラなどの整備も銅の需要増大につながることになります。2025年は世界的にもEV普及への期待はトーンダウンしましたが、このままでは終わらないでしょう。
