日銀金融政策決定会合後も株価は反発を継続、窓埋めも
前回のコラムでは日銀金融政策決定会合が開催され、結果が発表される週でした。結果にかかわらず、「5日移動平均線上を維持するようですと、戻りを試す展開が続くことが考えられ、3月28日と31日の間にあけた窓を埋めることが期待されます」と指摘しました。株価は、指摘したとおり急角度で上昇する5日移動平均線上を維持しました。それによって、下向きの75日移動平均線に接近するとともに、3月26日以降に発生した3つの窓のうち、3月28日と31日の間にあけた窓を埋める水準まで反発が続きました。
そのため、今週(5月5日週)は5月6日・7日(現地時間)に実施されるFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果と発表後のパウエルFRB議長の会見での発言を受け、上向きの5日移動平均線と下向きの75日移動平均線のどちらをブレイクするかが注目されます。仮に75日移動平均線を上回って維持するようですと、反発が継続していることになり、3月26日と27日の間にあけた窓を埋めることも視野に入りそうです。
一方で、75日移動平均線を上回っても維持できずに押し返されたり、5日移動平均線を下回って戻せなくなったりすると、5日移動平均線が下向きに変化して上値の重石となり、25日移動平均線辺りまで下落することが考えられます。そのため、買いポジションを持っている投資家は、売り時を逃さないようにする必要があると思われます。

モメンタムが水準を切りあげるか要注目
そうした中、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回って水準を切り上げているのが分かります。
そのため、今週(5月5日週)は2本線の上昇が続くかが注目ポイントです。仮に2本線が水準を切り上げるようですと、上昇の勢いがさらに強まっていることになります。下向きの75日移動平均線をブレイクして残った窓を埋めることが考えられる反面、2本線が上昇しても限定的だったり、下向きに変化して低下が続いたりするようですと、上昇の勢いが弱まり、5日移動平均線を下回って戻せなくなることが考えられます。買いポジションを持っている投資家は、売り時を逃さないようにする必要があるでしょう。
また特に注意したいのは、2本線の低下が続いて0ラインを下回ることです。2本線が0ラインを下回るようですと、下落の勢いが強まっていることになり、25日移動平均線あたりまで下落することが考えられます。買いポジションを持っている投資家は、FOMC後の2本線の方向や水準に注意し、売買判断に役立てたいところです。