東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場にて主要3指数が揃って上昇した流れを引き継ぎ、日経平均は567円高の34,787円で寄付きました。ベッセント米財務長官の関税を巡る中国との対立は長く続かないといった趣旨の発言が好感され、日本市場も朝方は買いが先行し9時7分に921円高の35,142円をつけ本日の高値を更新しました。その後は伸び悩み、上げ幅を縮小しての推移となり、588円高の34,808円で前引けとなりました。

後場は総じて堅調な推移となりました。序盤は34,900円台で推移するも、心理的な節目の35,000円に接近する場面では利益確定の売りが出て、上値の重い展開となりました。後半は34,800円台で一進一退に推移し、最終的には648円高の34,868円で取引を終えました。

新興市場では東証グロース250指数が0.1%高で3日ぶりに反発となりました。

2.個別銘柄等

富士フイルムホールディングス(4901)は8.7%高の2,909.5円をつけ大幅反発となりました。22日、米製薬大手から総額30億ドル(約4,200億円)超のバイオ医薬品の生産を受託し、米国で生産する契約を結んだと発表しました。生産受託で関税の影響を受けずに米国内の需要を取り込めるとの見方から買いが集まりました。

システムインテグレータのオービック(4684)は2.6%高の5,030円をつけ反発となりました。22日、2026年3月期(今期)の当期純利益は前期比8.3%増の700億円を見込むとし、概ね市場予想に沿ったガイダンスに加え、国内証券が目標株価を従来の4,600円から5,000円に引き上げたことが伝わり、これらを材料視した買いが集まりました。

コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(2579)は一時6.8%高の2,744.5円をつけ年初来高値を更新しました。主力製品である「綾鷹」等217品目を10月1日出荷分から値上げすると発表しました。値上げ幅は約5~23%で、収益性の改善につながるとの期待から買いが入りました。

ジャフコ グループ(8595)は一時23.3%高の2,520.5円をつけ年初来高値を更新しました。23日、2026年3月期(今期)から配当方針を見直し、株主資本配当率(DOE)は従来から3ポイント引き上げる6%とし、また発行済み株式総数(自己株式除く)の6.4%にあたる350万株、金額にして50億円を上限とする自社株買いの実施を発表し、これを好感した買いが集まりました。

ステーキハウスを運営するブロンコビリー(3091)は7.1%安の3,620円をつけ続落となりました。22日、2025年12月期の第1四半期決算を発表し、当期純利益は前年同期比29.3%減の3.7億円であったとし、大幅減益を嫌気する売りが出ました。肉やコメ等の原材料価格の高騰や人件費上昇とコスト増が利益を圧迫させたとしています。

VIEW POINT: 明日への視点

米中の貿易摩擦の緩和が期待されたことで日経平均は大幅高となりました。明日の材料は、FRB(米連邦準備制度理事会)が公表するベージュブックがあげられます。トランプ米政権が進める関税の影響がどのように報告されるかに注目です。

また、決算発表では、日本では大引け後にファナック(6954)が予定されており、米国ではボーイング[BA]、エーティー・アンド・ティー[T]、アイビーエム[IBM]の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)