今週(4月18日~4月24日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):パウエルFRB議長の解任懸念で動揺するも急上昇

ビットコインは、トランプ米大統領によるパウエルFRB議長の解任懸念により市場が動揺しながらも、BTC=94,000ドル(約1,334万円)付近まで大きく上昇した。

トランプ米大統領の発言を受けてパウエルFRB議長の解任懸念が強まり、ドル指数が急落。これを受け、金が史上最高値を更新する中、ビットコインも逃避的な買いによって堅調に推移した。マイクロストラテジー[MSTR]やメタプラネット(3350)といった企業によるビットコイン購入も続いた。さらに、SECの新委員長にポール・アトキンス氏が正式に就任し、米国における暗号資産規制整備への期待が高まった。

4月22日には、トランプ米大統領がパウエルFRB議長の解任意図を否定し、VIX指数が急低下する中で、ビットコインはさらに上昇した。ベッセント米財務長官が対中緊張緩和に向けて歩み寄りの姿勢を示したことも投資家心理の改善につながり、ビットコイン現物ETFへ9億ドル規模の資金が流入した。

その後は、米国でG20財務大臣・中央銀行総裁会議がスタートし、議論の内容を見極めようと様子見ムードが広がった。

来週(4月25日~5月1日)の相場予想

BTC(ビットコイン)は上値の重い展開を予想、トランプ米大統領とFRBの対立で不透明感が継続

来週のビットコインは、依然として上値の重い展開が続くと予想する。

トランプ米大統領によるパウエルFRB議長の解任は否定されたものの、両者の間では金融政策の方針をめぐる対立が表面化している。その中、来週は、米国のPCE価格指数や雇用統計といった重要指標の発表を控えており、これらの結果によっては、年内の利下げ観測が後退し、リスク資産全般に再び売り圧力がかかる可能性もある。

一方で、来週はマイクロソフト[MSFT]、メタ・プラットフォームズ[META]、アマゾン・ドットコム[AMZN]といった米ハイテク大手の決算に加え、ビットコインを大量保有するマイクロストラテジーの決算も予定されている。今後のビットコイン購入方針などが示されることで、投資家や企業の買いを後押しする面はあるだろう。

ただし、米中対立の激化や、ロシア・ウクライナ戦争の停戦交渉難航といった地政学リスクも意識される中、市場ではリスクオフムードが継続すると思われる。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=95,000ドル(約1,349万円)、下値はBTC=85,000ドル(約1,207万円)を意識する。