加藤財務相とベッセント米財務長官の為替に関する協議に注目

今週の焦点は大きく2つ。ひとつは24日に予定されている日米財務相会談だ。もうひとつの大きな材料は企業業績だ。米国企業の決算は佳境に入り、日本でも今週から3月決算企業の決算発表が本格化してくる。

加藤勝信財務相は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席するためワシントンを訪れ、その際にベッセント米財務長官と会談する予定。そこで円安是正に話が及ぶかどうかが大きな焦点である。赤沢亮正経済財政・再生相が訪米した初回の日米政府間協議では為替の話はでなかったが、それは関税政策がメインの議題だったからだろう。今回は為替について協議すると見られ、どこまで踏み込んだ話になるかが注目される。

為替について言えば、トランプ大統領がパウエル議長の解任を求めていることも円高バイアスを強めている。今週は日米財務相会談、G20、FRB(米連邦準備制度理事会)高官の講演、そしてパウエル議長の人事を巡る動きなど、為替に関する材料が目白押しとなりそう。それら次第では1ドル130円台突入もあり得るので注意したい。

日米の企業決算発表の焦点は今期ガイダンスをどのように出してくるか

決算発表は米国では22日のテスラ[TSLA]、24日のアルファベット[GOOGL]の決算が注目を集める。ほかにも22日にゼネラル・エレクトリック[GE]、23日にボーイング[BA]、アイビーエム[IBM]、24日にプロクター・アンド・ギャンブル[PG]、インテル[INTC]など主要企業の発表がある。

国内では22日にオービック(4684)、23日にファナック(6954)、24日に中外製薬(4519)、富士通(6702)、キヤノン(7751)、ルネサスエレクトロニクス(6723)、ニデック(6594)、25日にキーエンス(6861)、信越化学工業(4063)、第一三共(4568)、デンソー(6902)、アドバンテスト(6857)、アイシン(7259)などの決算発表がある。

決算発表の焦点は今期のガイダンスをどのように出してくるかだ。安川電機(6506)が関税の影響を織り込まずに発表して株価が大きく売られたことは記憶に新しい。特にデンソーやアイシンなど自動車部品企業のガイダンスに注目したい。

予想レンジは3万3000円~3万5000円とする。