東京市場まとめ

1.概況

為替相場での円高ドル安進行を受け、輸出関連株が売られて始まったことから日経平均は158円安の38,907円と反落で始まりました。朝方は下げ幅を拡大し、9時27分に313円安の38,753円をつけ本日の安値を更新しました。

その後は持ち直し、急速に下げ幅を縮め10時9分には58円安の39,007円をつけ高値を更新するなど、前半は荒い値動きとなりました。その後は緩やかに下落し前場は172円安の38,893円で取引を終えました。

後場は今晩の米雇用統計の発表を控え売買が控えられ、38,800円から38,900円のレンジで一進一退に推移しました。最終的には279円安の38,787円で4日ぶりに反落となりました。新興市場では、東証グロース250指数が4日続伸、0.3%高となりました。

2.個別銘柄等

メルカリ(4385)がストップ高となる21.0%高の2,307円をつけ取引を終えました。6日に発表した第2四半期決算で、広告宣伝費等のコストカットが寄与し当期純利益は前年同期比62.3%増の73億円となったことを受けて、利益の順調な伸びを評価した買いが集まりました。

東京エレクトロン(8035)は4.1%安の25,500円をつけ、4日ぶりに反落となりました。6日に第3四半期決算を発表し、当期純利益は前年同期比67.8%増の4,011億円と大幅増益となるも、いったん材料出尽くしとの見方から売りが優勢となりました。

SUBARU(7270)は9.2%高の2,910円をつけ、4日連騰となりました。本日7日に今期の業績予想の上方修正と株主還元の強化を発表したことが好感されました。通期の当期純利益の見通しを前期比22.1%減の3,000億円から同14.3%減の3,300億円に引き上げたうえ、期末配当は前回予想から19円増額の1株あたり67円としています。

ニコン(7731)は9.3%安の1,536.5円をつけ大幅反落となりました。6日に第3四半期決算を発表し、通期の営業利益の見通しを従来予想から30億円引き下げ190億円(前期比52.2%減)とし、今期2度目となる下方修正を行ったことで売りが出ました。

回転寿司チェーンのスシローを展開するFOOD & LIFE COMPANIES(3563)は一時19.4%高の4,199円をつけ、昨年来高値を更新しました。本日7日に発表した第1四半期決算で、営業利益が前年同期比56.4%増の95億円となり、コメ価格の高騰等でコスト高となるなかで、大幅増益となったことがサプライズとなりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は週間で2.0%安となりました。決算を発表した銘柄の反応はまちまちであるも、下値では買いが入る印象です。来週に向けて、今晩の米雇用統計に注目が集まります。

非農業部門雇用者数は前月比17.2万人増が市場予想となっており、前月から伸びの鈍化が予想されています。労働市場の緩和が示唆されれば当局のタカ派スタンスも和らぐと考えられることから、予想通りの鈍化が見られるかに注目です。

決算発表は、日本では引け後にディー・エヌ・エー(2432)、太陽誘電(6976)、三菱地所(8802)、SUMCO(3436)が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)