5日移動平均線上を維持できるかが反発継続のカギ
前回のコラムでは、1月14日までの値動きで200日移動平均線を下回って終えていたことから、下放れへの警戒が高まっていました。そこで「200日移動平均線上を回復して維持できるかが注目される」と解説しました。
また「200日移動平均線上を回復して維持するようなら、下向きに変化した5日移動平均線や25日移動平均線辺りまで反発することが期待される」とも解説しましたが、200日移動平均線を下回ったままで推移していたことから、先週末の1月17日には38,000円まで株価が下落する場面があるなど、警戒した下放れが現実に起こりかけました。しかし、下ヒゲを形成して終えたことに加え、休み明けの1月20日には窓をあけて上昇して始まり、デッドクロスが発生していた5日と200日移動平均線を一気に上回って終える結果となりました。
この反発のおかげもあって、トランプ氏の米大統領就任式当日の東京市場は、トランプ大統領がカナダとメキシコへの関税を検討していると伝わり、マイナスに転じる場面があったにもかかわらず、上向きに変化した5日移動平均線がサポートになり、下ヒゲ陰線を形成して終える結果となっています。
また、取引時間中に下向きの25日移動平均線に接近しており、今週は、5日と25日移動平均線のどちらの移動平均線をブレイクするのかが注目ポイントになりそうです。仮に上向きの5日移動平均線上を維持するようなら、5日移動平均線を上回って再び4万円に接近することが視野に入りそうです。
ただ、4万円を上回るとともにすべての移動平均線が上向きに変化して上昇するまでは、もち合いが継続することが考えられるため、高値掴みには要注意です。
一方で、25日移動平均線を上回っても維持できずに押し返されたり、5日移動平均線を下回って戻せなくなったりするようなら、再び下放れへの警戒が高まるため押し目買いは控える必要があると思われます。
モメンタムの上昇が続くかどうか注目
そうしたなか、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、200日移動平均線を下回っていた間、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が低下しており、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っていました。しかし、今週に入って上向きに変化しています。
そのため、2本線の上昇が続くかどうかが注目ポイントになると思われます。仮に2本線の上昇が続くようなら、0ラインを上回って上昇の勢いが強まり、25日移動平均線を突破して4万円に接近することが視野に入ります。その反面、0ラインを上回っても維持できずに押し返されたり、下向きに変化して低下が続いたりするようなら、下落の勢いが強まり、5日や200日移動平均線を下回って下降トレンド発生の可能性が高まるため、押し目買いは控える必要があるでしょう。