ついに5日移動平均線を下回るも回復するか注目

日経平均は相変わらず上値の重たい状態が続いており、4万円を回復する場面があっても終値で押し返されています。

そうしたなか前回のコラムでは「メジャーSQを通過しても5日移動平均線上を維持するようなら、上放れ期待が高まる」と解説しましたが、12月13日はSQ値39,434円85銭を上回るとともに5日移動平均線も上回って終えました。しかし、休み明けの16日に5日移動平均線を割り込むと、17日は5日移動平均線を下回ったまま3日続落で終え、5日移動平均線はわずかですが下向きに変化しています。

こうした状況から、このまま5日移動平均線上を回復することができずに下回ったままの状態が続くようなら、再び38,000円前後まで下落することが視野に入るため注意が必要と思われます。

ただ、今週は投資家の注目を集める日米の金融政策の発表があるため、この流れが一気に逆転したり、加速したりする可能性がありそうです。仮に逆転した場合、テクニカル的なポイントは、5日移動平均線上を回復するとともに5日移動平均線が上向きに変化するかどうかになると思われます。

仮に株価が5日移動平均線を上回り、5日移動平均線が上向きに変化してサポートになるようなら、4万円を回復して上放れることが期待されます。その反面、5日移動平均線を下回ったままの状態が続いた場合、下落の流れが加速することが考えられます。

仮に5日移動平均線を下回ったままの状態が継続した場合、株価の下に位置している200日や75日移動平均線を下回って38,000円に接近したり、割り込んだりすることが考えられます。買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に要注意です

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成 
※移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムの低下と0ライン割れに要注意

続いては、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムについてです。12月17日現在、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が下向きに変化しているのが分かります。ただ、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ライン上を維持しており、下落の勢いが強まっているとは言えない状況です。

そのため、日米の金融政策の発表後に2本線が上向きに変化して上昇するかが注目ポイントになると思われます。仮に2本線が上向きに変化して水準を切り上げるようなら、上昇の勢いが強まり、5日移動平均線上を回復して4万円に乗せたり、上放れたりすることが期待されます。その反面、2本線の低下が続いて0ラインを下回ったり、下回ったまま低下が続いたりするようなら、200日や75日移動平均線を下回り、38,000円を割り込むことが視野に入るため、買いポジションを持っている投資家は要注意です。

果たして日米金融政策の発表後、上下どちらにトレンドが発生するのか、あるいはもち合いが続くのか、目が離せない1週間になりそうです。