【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,635.20  △106.84 (1/8)
NASDAQ: 19,478.88  ▼10.80 (1/8)

1.概況

昨日の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。13ドル高で取引を開始したダウ平均は米長期金利の上昇が重荷となり下落に転じると、下げ幅は一時200ドルまで拡大しました。ただし、米長期金利が水準を切り下げると上昇に転じるなど、その後は金利をにらみながらの一進一退の展開となり、結局106ドル高の42,635ドルで取引を終え3日ぶりに反発しました。この日は、FRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事が、講演で追加利下げを支持する姿勢を示したことが相場を支える要因となりました。

一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は10ポイント安の19,478ポイントで取引を終え、小幅に続落となりました。また、S&P500株価指数は9ポイント高の5,918ポイントで取引を終え、小幅に反発しています。

2.経済指標等

12月の米ADP雇用者数は前月比12.2万人増となり市場予想の13.5万人増と前月の14.6万人増を下回りました。先週の新規失業保険申請件数は前週比1万件減の20万1000件となり、市場予想に反して改善しました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうちヘルスケアや素材、生活必需品などの8業種が上げました。一方で、コミュニケーション・サービスやエネルギー、公益事業の3業種が下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中18銘柄が上昇となりました。なかでも、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が2%以上上げたほか、コカコーラ[KO]やスリーエム[MMM]、ウォルマート[WMT]が1%以上上昇しています。一方で、その他の12銘柄は下落となり、特にジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]は2%以上下落しました。また、ウォルト・ディズニー[DIS]やメルク[MRK]、ナイキ[NKE]も1%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、イーベイ[EBAY]が9.9%上昇して、S&P500株価指数採用銘柄で値上がり率トップとなりました。競合のメタ・プラットフォームズ[META]がEUの独占禁止命令に従うために、イーベイの分類広告リストをフェイスブック・マーケットプレイス上に掲載すると提案したことが材料視されています。一方で、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]は、アナリストによる投資判断の格下げと目標株価の引き下げにより4.3%下落しました。また、エヌビディア[NVDA]のジェンスン・フアンCEO(最高経営責任者)が講演にて、量子コンピュータについて15年から30年は実用化されないだろうと述べたことを受けて、関連銘柄が大幅安となりました。リジッティ・コンピューティング・インク[RGTI]は45.4%安、イオンQ・インク[IONQ]は39.0%安、D ウェーブ クオンタム[QBTS]は36.1%安となりました。

5.為替・金利等

長期金利は前日比0.01%高い4.69%となりました。ドル円は、158円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国市場が小幅に高安まちまちとなった流れを受け、小動きでのスタートが予想されます。日経平均が4万円台以上で値固めできるかが注目されるなか、寄付き前には毎月勤労統計調査が発表され、日銀の利上げ観測への影響が焦点となります。なお、今晩の米国株式市場は、第39代アメリカ大統領ジミー・カーター氏の国葬・追悼により休場となります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)