東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反落となりました。前日の米国市場では、7日発表の米経済指標が市場予想を上回る結果を示し、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げペースの鈍化が意識され米長期金利が上昇したことから、ハイテク株を中心に下落となりました。この流れを引き継ぎ日経平均は203円安で取引を開始すると、主力株を中心に売りが広がり下げ幅は一時377円安まで広がりました。ただし、外国為替市場での円安進行などを支えにハイテク株には上昇するものもあり、下げ幅を縮めると前場は140円安の39,942円で取引を終えました。

後場に入ってからも、前場中ごろから下げ幅を縮小してきた流れを引継ぎ、午後1時過ぎにはプラス圏に浮上する場面も見られました。しかし、その後は伸び悩むと、取引終盤にかけては4万円付近で一進一退の展開となりました。最終的には102円安の39,981円で取引を終え、反落となりました。

新興市場では、東証グロース250指数が0.4%上昇と続伸しています。

2.個別銘柄等

半導体関連株は下げて始まったものの切り返す銘柄も見られ、ディスコ(6146)は4%超上昇したほか、アドバンテスト(6857)とレーザーテック(6920)は3%以上上昇し、東京エレクトロン(8035)も1%以上上昇しました。

メガバンク3行は、日米長期金利の上昇を背景に昨年来高値を更新しました。なお、終値ベースでは、みずほフィナンシャルグループ(8411)は1.0%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)は0.5%高、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は横ばいとなりました。

また、海運株も本日は反発し、日本郵船(9101)商船三井(9104)はいずれも2%以上上昇したほか、川崎汽船(9107)も1%以上上昇しました。

一方で、商社株は軟調となり、三井物産(8031)は2%超下落した他、三菱商事(8058)や丸紅(8002)、住友商事(8053)は1%超下落しました。伊藤忠商事(8001)は1%未満の小幅な下落となりました。

メガネチェーンのジンズホールディングス(3046)は、7日の取引終了後に発表した12月度の月次売上状況(速報)で、国内アイウェアショップの既存店売上高の対前年比が24.4%増となり、23ヶ月連続で前年実績を上回ったことが好感され、7.7%上昇し昨年来高値を更新しました。

アダストリア(2685)は、7日の取引終了後に発表した2024年12月の既存店の月次売上高が前年比1.4%増となるも、11月の8.9%増から伸び率が鈍化したことが嫌気され、7.0%下落となりました。

日本マクドナルドホールディングス(2702)は、2024年の既存店売上高が前年比0.4%減で5ヶ月ぶりの前年割れとなり、5.0%下落しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は、前日の米国ハイテク株安を受けて反落して始まりましたが、堅調な半導体関連株に支えられ、底堅さを見せました。日経平均は終値で4万円台を惜しくも維持できなかったものの、投資家心理に大きな悪化は見られませんでした。

本日は、サイゼリヤ(7581)、エービーシー・マート(2670)、ウエルシアホールディングス(3141)などの決算が予定されています。また、米国ではADP雇用者数や新規失業保険申請件数といった経済指標の発表が控えています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)