先週の中国株ですが、上海総合指数、深セン総合指数は小反落、創業版指数は続伸、香港ハンセン指数は大幅続落となりました。春節(旧正月、2014年の元旦は1月31日)の1週間近くに渡る大型連休(上海証券取引所、深セン証券取引所は1月31日から2月6日まで休場)を控え、基本的にはポジション調整の売りが出る展開となり、株価は重い足取りに。すでに多くのファンドマネージャーが休暇に入っている模様で、出来高も少なく、薄商いとなりました。もっとも、その中で創業版指数は中国経済の改革による新興企業への恩恵期待から引き続き上昇しています。

先週発表された中国の経済指標ですが、1月30日にHSBCが1月の中国製造業景況指数(PMI)の確報値を発表しました。結果は速報値の50.5から景況感の境目を下回る49.5まで低下となりました。また、2月1日に中国物流購買連合会(CFLP)が国家統計局と共に発表した1月の中国公式製造業景況指数(PMI)は50.5となり、景況感の境目である50は上回ったものの、12月の51.0から低下。同じく1月の中国公式新規受注指数も12月の52.0から1月は50.9へ、新規輸出受注指数は12月の49.8から1月は49.3へ下落しており、いずれも足もとの中国経済のスローダウンが示唆される内容となりました。これは昨年7月に行われた小規模な景気刺激策の効果が切れてきた為と見ることができると思います。

一方、香港株は27日(月)に先々週からの新興国発の世界的な株安の流れを引き継いで大幅続落となりました。29日(水)は反発したものの、その日の夜、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和政策の縮小を決めたことから、連休前の最後の取引日となった1月30日は反落となり、週間を通して、新興国や中国と米国の両方の悪い影響を受け続ける結果となりました。ちなみに香港証券取引上は1月31日と2月3日が春節(旧正月)の休場となり、2月4日から取引が再開されます。今後の注目点は3月の中国の全国人民代表大会(全人代)にむけて政策への期待が高まりやすい時期になる中、昨年7月のような小規模な景気刺激策が出るかどうかです。中国経済は明らかにスローダウンの色を濃くしてきていますので、政策が出なければ大型株中心の上海総合指数は軟調な株価推移が続くと見られます。

コラム執筆:戸松信博