私は社会人になってからずっと外国の株式に関わる仕事をしています。
加えて個人的な興味も手伝いこれまで世界82ヵ国を訪問しています。そんな事情もあり数多くの航空会社のフライトに乗る機会を得ました。
16歳で生まれ故郷の宮崎をでて30年間会わなかった同級生と偶然機内で会ったこともあります。
マネックス証券に入社する10年以上前には、マネックスグループの松本大会長とロンドン行きのフライトでばったり出会ったり、また新たな出会いがあったこともありました。
航空会社によっては国籍を問わず、印象に残っている良いサービスもあれば、そうでないサービスもあります。ただ、飛行中幸い事故にあったことはありませんので、これまで安全に運んでもらったことをありがたく思っています。
私の子供の頃、当時宮崎空港には全日空しか就航していませんでした。不思議なもので、未だ国内でも海外でも飛行機による移動の際には全日空を利用することが多いのです。
帰国にあたり、海外の航空会社に搭乗しても、そこはまだ外国であり、日本の空港に着くまで緊張感は取れません。異国の地で全日空の便に乗り込んだ瞬間、CAの方に日本語で「おかえりなさい」と言われると、もうすでに日本に帰ってきたという感じがして、ほっとした気持ちになり嬉しく思います。
昨今、テクノロジーが私たちの空の旅のスタイルを変えています。
携帯電話が世界的に普及すると、世界中どこに行っても日本から持って行った携帯電話が使えるようになりました。
どこにいても会社から捕まるのです。
しかし、ひと昔までは一度飛行機に乗るとインターネットが使えなかったので、メール等で邪魔されることはありませんでした。空の上はビジネスマンにとっては聖域だったのです。 ところが、今や衛星通信技術のお陰で、国際線で海の上を飛行中でもインターネットが使えるようになり、基本地球にいる限り、世界中を移動していても連絡を取ることが可能となってしまいました。便利なようで不自由な世の中となりました。
空港での登場までの手続きもテクノロジーのお陰で時間がセイブされています。
これまでの常識では、搭乗前の手荷物検査ではペットボトルやノートパソコンを取り出し検査が必要でしたが、今では取り出す必要がなくなってきており、空港検査の混雑解消の手助けとなっています。
海外からの帰国時の審査も、これまでの検査官による審査の代わりに、顔認証によって人を通さずにスムーズな入国審査が可能となっています。これはすべてテクノロジーの進化によるものです。
そんななか、最近アメリカの空港で気の利いたサービスを見ることがありました。
日本を含む世界中の空港では、搭乗ゲート前の電光掲示板のフライト情報としては、その便の出発時間が表示されています。これは基本的な情報であり、後は「出発準備中」といった情報が表示されているだけです。
大体出発の20分前から搭乗が開始されますので、出発時刻から20分を引くと搭乗時間だなと分かる訳です。
多分それが世界の搭乗に際してのスタンダードかと思います。
それが最近アメリカの空港の搭乗口の電光掲示板で見るようになったのは、「搭乗開始まで後xx分」という表示です。そこまで気にする人が多いかはわかりませんが、私は空港でノートパソコンを広げて仕事をしていることが多いため、あと何分後にパソコンをしまうために、いつ搭乗が開始されるかを知りたい派なのです。
出発時間の表示だけでは、そこから20分ひいて、時計をみて逆算して搭乗開始時間を考える必要があり面倒ですが「搭乗開始までx分」と時間が表示されるのであれば、後何分で搭乗が開始されるか1発でわかる、非常に乗客思いの情報の表示なのです。
私は長年アメリカに住んできてアメリカという国は日本と比べ色々な意味で気が利かない国だと思っていたのですが、ひょっとするとその気の利かなさもテクノロジーが変えていくのではないかと感じさせた瞬間でした。