【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,247.83  ▼154.10 (12/10)
NASDAQ: 19,687.24  ▼49.45 (12/10)

1.概況

米国市場は小幅に続落となりました。ダウ平均は110ドル安で取引を開始し、朝方には主力株の売りが先行して一時215ドル安まで下落しました。その後、持ち直して午後にかけては上昇し、一時は68ドル高まで上昇しました。しかし、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での政策判断に影響を与える米CPI(消費者物価指数)の公表を目前に控えるなか、積極的な買いには至らず、引けにかけては再び売りが優勢となりました。

一方で、一部ハイテク株の大幅上昇などが投資家心理を支え、下値は限定的となり、結局ダウ平均は154ドル安の44,247ドルで取引を終え、小幅に4日続落となりました。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は49ポイント安の19,687ポイント、S&P500株価指数は17ポイント安の6,034ポイントで取引を終え、小幅に続落しました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうちコミュニケーション・サービスや生活必需品、一般消費財・サービスの3業種が上げ、特にコミュニケーション・サービスは2%以上の上昇となりました。一方で、8業種が下げ、特に不動産と情報技術は1%以上の下落となりました。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中11銘柄が上昇となり、なかでも、ボーイング[BA]が4%超上昇したほか、アメリカン・エキスプレス[AXP]やハネウェル・インターナショナル[HON]、ビザ[V]が1%超上昇しました。一方で、19銘柄が下落となり、なかでもメルク[MRK]やエヌビディア[NVDA]、キャタピラー[CAT]が2%超下落したほか、ホームデポ[HD]やゴールドマン・サックス[GS]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]など6銘柄が1%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、アナリストによる目標株価の引き上げが伝わったテスラ[TSLA]が一時5%を超える上昇となりました。大手小売薬局チェーンのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]は、非公開化の協議を含む投資会社への身売りを交渉中との報道が伝わり17.7%高となり、S&P500株価指数の値上がり率でトップとなりました。また、グーグルの親会社のアルファベット[GOOGL]は量子コンピューターに使う新型半導体を開発したと発表したことで5.6%高となりました。一方で、バイオテクノロジーのモデルナ[MRNA]は、アナリストによる弱気な見通しの発表などを受けて9.1%下落しました。また、ソフトウェアのオラクル[ORCL]は、四半期決算にて売上高とEPS(1株当たり利益)が予想を下回ったほか、注目の集まるクラウド事業の売上高が59億ドルと予想の60億ドルに届かず、6.7%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い4.23%となりました。ドル円は、円安方向に進展し一時152円台に到達しましたが、朝方は151円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国市場の小幅な続落を受けて小動きでのスタートとなりそうです。こうしたなか日経平均は米CPIの公表を控えて様子見ムードが強まり、方向感に欠ける展開が予想されます。事前の市場予想では、米CPIの総合値が前年比2.7%と前月の2.6%から上昇すると見込まれ、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア値は前年比3.3%で前月から横ばいと予想されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)