東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、5日ぶりに反落となりました。前日の米国株安を受けて24円安の39,371円と小反落で寄り付いた日経平均は、その後すぐに本日の高値となる72円高の39,468円まで上昇しました。高値以降は一転し、再び下落となると、その後の前場は終始軟調に推移しました。海外勢による株価指数先物への売りが相場を下押しし、前場は353円安の39,042円で取引を終えました。
後場に入ると、一時39,000円を割り込む水準まで下落し、13時半に本日の安値となる455円安の38,940円をつけました。一方、下値では買いも入り、その後は下げ幅を縮めるも米雇用統計を前に買い向かう姿勢も限られそのまま、304円安の39,091円で大引けとなりました。
新興市場では、東証グロース250指数が反落、0.7%安となりました。
2.個別銘柄等
今週の日経平均を牽引していた半導体関連銘柄は、前日の米国市場におけるフィラデルフィア半導体株(SOX)指数が1.9%下落する等、米国市場での半導体株安が波及し、総じて大幅下落となりました。KOKUSAI ELECTRIC(6525)は、2.9%安をつけ3日続落、東京エレクトロン(8035)は2.6%安をつけ続落で取引を終えました。その他にもディスコ(6146)は4.4%下落、SCREENホールディングス(7735)、アドバンテスト(6857)の2銘柄は3%以上下落しています。
住友電気工業(5802)は一時5.4%安をつける急反落となりました。データセンター向けの電線需要の拡大が見込まれ、前日は上場来高値を更新していたところ、国内証券による投資判断の引き下げが利益確定の売りにつながりました。
ゼンショーホールディングス(7550)は一時4.8%高をつけ上場来高値を更新、終値では大幅反発で取引を終えました。急騰は外資系証券による目標株価の引き上げがきっかけとされ、目標株価は11,000円とされています。
オフィス家具等を扱うイトーキ(7972)も国内証券によって新たにレーティングが開始され、投資判断が最上位でスタートとなったことから、7.7%高をつける大幅続伸となりました。新たに設定された目標株価も2,300円と足元の水準と乖離があることも買いを誘いました。
J.フロント リテイリング(3086)は0.6%高をつけ8日続伸で取引を終えました。こちらも国内証券による目標株価の引き上げが材料視されました。インバウンドは好調であり、販管費の抑制や来年度以降の利益成長期待が指摘されています。
その他の銘柄では、11月の既存店売上高が前年同月比11.6%増と発表した日本マクドナルドホールディングス(2702)が1.0%高で3日ぶりに反発、同じく11月の既存店売上高が前年同期比7.3%増と好調であったクスリのアオキホールディングス(3549)も1.2%高で5日ぶりに反発して取引を終えています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は今週1週間では883円(+2.3%)高で取引を終えました。本日は一旦の利益確定と本日夜間に予定されている雇用統計を前に持ち高調整の動きと、一方で39,000円を割り込む水準では買いが入るという、底堅さも見られました。
来週に向けて、まずは本日の雇用統計を無難に消化できるかがポイントと考えられます。また、来週9日はキオクシアホールディングス(予定銘柄コード285A)の公開価格が決定されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)