東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、3日続伸となりました。米国、ナスダック総合指数の最高値更新を受けて、日本市場も半導体関連銘柄等のハイテク株が好調に推移し、相場をけん引しました。一方で、決算内容が市場予想を下回った銘柄は下落が顕著でした。

前場は、199円高の39,102円で寄り付いた日経平均は、その後も堅調に推移しました。前日の米国株式市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.3%上昇したことを受け、半導体関連銘柄に買いが集まり、日経平均株価を押し上げました。前場は486円高の39,390円で取引を終えました。

後場に入ると早々に本日の高値である514円高の39,417円をつけるも、その後は伸び悩みました。新しい材料が乏しい中で、利益確定の売りにより上値が抑えられました。最終的には、373円高の39,277円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が3日続伸、0.5%高となりました。

2.個別銘柄等

キーエンス(6861)が前日比2,150円(3.2%)高の69,160円をつけ、4日続伸となりました。29日の中間決算にて、累積営業利益は前年同期比11.1%増の2,639億円と堅調な業績となったことや、年間配当を従来予想よりも50円増額となる350円を予定していることを発表したことが好感されました。米国でのFA(ファクトリー・オートメーション)機器の需要が伸びたことが主因で、また売上高営業利益率が第1四半期から改善されたことも好感されました。

コマツ(6301)は前日比42円(1.0%)安の4,028円をつけ、3日ぶりに反落となりました。29日の中間決算にて、累積営業利益は前年同期比2.2%増と小幅に増益を示すも、通期業績がコンセンサスを下回る見通しが嫌気されました。通期業績見通しは、為替が円安に推移したことにより第1四半期よりも減益幅を縮小する内容であるも、市場コンセンサスを下回っており、売りが優勢となりました。

日野自動車(7205)は前日比62.5円(13.3%)安の406.1円をつけ、4日ぶりに大幅反落となりました。29日の決算にて、通期で2,200億円の最終赤字の見通しを示し、市場予想(マイナス88億円)を大幅に上回る赤字であったことが株価を押し下げました。赤字は北米向けディーゼルエンジンの認証不正に伴う、和解費用を2,300億円計上したことが主因とされています。

NEC(6701)は前日比340円(2.5%)安の13,215円をつけ、3日ぶりに大幅反落となりました。中間決算にて、累積営業利益はコンセンサスを11.8%下回る446億円(コンセンサス506億円)であったことが売りにつながりました。要因は7-9月期のインフラ事業が低調であることとされています。通期業績は従来のまま据え置き、同社への受注等は引き続き堅調との声も聞かれています。

山崎製パン(2212)が前日比410.5円(15.3%)高の3,092円をつけ、大幅続伸となりました。29日の第3四半期決算にて、累積営業利益は前年同期比39.2%増の387億円と市場予想422億円を下回る決算であったものの、一部製品の価格を平均5.6%値上げすることを発表したことが好感されました。値上げは2025年1月からとされ、今期の業績への影響はなく据え置きとするも、市場では来期以降での業績寄与が期待され買いが集まりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、約2週間ぶりに39,000円を回復する水準まで上昇しました。日本の政策運営に関するニュースが発表されるも、株価への反応は限定的で、総じて上昇基調がうかがえました。

明日に向けて、国内の決算銘柄は日立(6501)、アドバンテスト(6857)、京セラ(6971)、エムスリー(2413)が予定されており、米国ではメタ[META]、マイクロソフト[MSFT]に注目が集まります。米国大型テック株は、17日のネットフリックス[NFLX]、29日のアルファベット[GOOG]が市場予想を上回る決算を発表しており、ここまでのところ好調さがうかがえます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)