【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,065.22  △201.36 (10/14)
NASDAQ: 18,502.69  △159.75 (10/14)

1.概況

先週末の米国市場は反発となりました。大手銀行の好決算を受けて金融株を中心に買いが膨らみ、53ドル高でスタートしたダウ平均は、9月の米生産者物価指数(PPI)がインフレ鈍化の傾向を示し、年内の利下げ軌道を大きく変える内容ではなかったことも相場を支える材料となり、その後も堅調に推移しました。主要企業の決算に対する期待から終盤にかけて上げ幅を広げ、結局ダウ平均は409ドル高の42,863ドルで取引を終え、最高値を更新しました。また、S&P500指数も反発し、34ポイント高の5,815ポイントで取引を終え、最高値を更新しています。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も60ポイント高の18,342ポイントで取引を終えました。

昨日の米国市場では主要株価3指数がそろって続伸しました。ダウ平均は、景気敏感株の一部に売りが出たことで、62ドル安でスタートしましたが、米景気悪化への懸念が後退していることや主要企業の業績改善期待が高まっていることから買いが優勢となりました。その後もハイテク株やディフェンシブ株を中心に物色が広がり、ダウ平均は堅調に推移して結局201ドル高の43,065ドルで引け、2営業日連続で最高値を更新して史上初の43,000ドル台に乗せました。また、S&P500指数も続伸し、44ポイント高の5,859ポイントで取引を終え、こちらも2営業日連続で最高値を更新しました。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も159ポイント高の18,502ポイントで取引を終えています。

2.経済指標等

先週末に発表となった9月の米生産者物価指数(PPI)は、前月比で横ばいとなり、0.1%上昇を見込んだ市場予想を下回りました。前年同月比ベースでは、1.8%上昇となり市場予想を上回ったものの、伸びは前月から鈍化しました。10月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は68.9と前月から低下し市場予想も下回りました。
昨日は主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や資本財・サービス、不動産などの9業種が上げ、金融は2%近く上昇となっています。一方で一般消費財・サービスと情報技術の2業種が下落となりました。
昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げ、情報技術や公益事業は1%超上昇となりました。一方で、エネルギーが下落となりました。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場では、ダウ平均構成銘柄のうち28銘柄が上昇しました。特に、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]は11日に発表した第3四半期決算で四半期利益が市場予想を上回り、株価は4.4%上昇しました。また、ゴールドマン・サックス[GS]も2.5%の上昇を見せています。その他、ボーイング[BA]が3.0%上昇し、アムジェン[AMGN]やアメリカン・エキスプレス[AXP]も2%超の上昇を記録しました。一方で、セールスフォース・ドットコム[CRM]とアップル[AAPL]の2銘柄は下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では、ウェルズ・ファーゴ[WFC]が第3四半期決算で、投資銀行収入の伸びが貸出収益の減少を相殺し、利益が市場予想を上回ったことで株価は5.6%上昇しました。一方で、電気自動車メーカーのテスラ[TSLA]は2人乗りのロボタクシー「サイバーキャブ」と20人乗りの「ロボバン」のコンセプトをイベントで発表しましたが、量産計画やサービス開始時期等に関する詳細が欠けていたため、投資家の期待には応えられず8.8%下落しました。これを受けて、競合なるとされていたライドシェア銘柄が買われ、ウーバー[UBER]は10.8%上昇、リフト[LYFT]は9.6%上昇しました。

昨日の米国市場では、ダウ平均構成銘柄のうち21銘柄が上昇しました。特に、投資判断の引き上げを受けたアップル[AAPL]は1.7%上昇し、マクドナルド[MCD]やトラベラーズ[TRV]も1.5%以上の上昇となりました。その他、ゴールドマン・サックス[GS]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、セールスフォース・ドットコム[CRM]、コカ・コーラ[KO]、ビザ[V]なども1%以上上昇しました。一方、9銘柄が下落し、キャタピラー[CAT]はアナリストによる投資判断の引き下げを受け2%下落しました。また、ボーイング[BA]やアムジェン[AMGN]も1%以上の下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、デジタル金融サービス企業のソーファイ[SOFI]が、投資運用会社フォートレス・インベストメント・グループの関連会社と個人向けローン事業拡大に向けた20億ドルの契約締結を発表し、11.4%上昇しました。また、衛星放送会社のシリウスエックスエム・ホールディングス[SIRI]は、著名投資家バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ[BRK]が同社株を追加購入したことが明らかになり、7.9%上昇しました。一方、週末に発表された中国の経済支援策に対する失望感から、米国上場の中国株が売られました。シャオペン[XPEV]は9.8%、ニオ[NIO]は7.2%、バイドゥ[BIDU]は4.5%、アリババ[BABA]は2.1%それぞれ下落しました。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.04%高い4.10%となりました。昨日の米国債券市場はコロンブスデーのため休場でした。ドル円は円安方向に動き、149円台後半で推移し150円に接近しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか、日経平均が大台の40,000円台を上回ることが出来るかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)