【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,080.37  △126.13 (10/8)
NASDAQ: 18,182.92  △259.01 (10/8)

1.概況

米国株式市場は反発となりました。ダウ平均は68ドル高で取引を開始し、一時マイナス圏に転じる場面がありましたが、79ドル安で下げ渋り、その後は上昇に転じました。終盤には一時174ドル高まで上昇しましたが、引けにかけてはやや上げ幅を縮め結局126ドル高の42,080ドルで取引を終えました。中東情勢を巡る不透明感は残るものの、8日の米原油先物相場は上昇が一服し、米国のインフレ再燃懸念が和らいだことから、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げ期待や米経済のソフトランディングへの期待が相場を支えました。また、前日に大きく下げたアップル[AAPL]やアマゾン・ドットコム[AMZN]などのハイテク株が買い戻され、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は259ポイント高の18,182ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

米国の8月の貿易収支は、前月比10.8%減の704億ドルで市場予想の713億ドルを下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術やコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービス、生活必需品などが上げ、情報技術は2%を超える上げとなっています。一方、エネルギーと素材の2業種が下げ、エネルギーは2%以上下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、20銘柄が上昇し、インテル[INTC]が4%以上上げたほか、セールスフォース・ドットコム[CRM]は2%超の上昇、トラベラーズ[TRV]やアップル[AAPL]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、ホームデポ[HD]は1.5%超の上昇となりました。一方で、10銘柄が下落し、キャタピラー[CAT]とダウ[DOW]が2.5%超下落、アメリカン・エキスプレス[AXP]とシェブロン[CVX]が1.5%超下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体のエヌビディア[NVDA]が4.0%上昇しました。台湾の電子製品受託生産大手の鴻海精密工業がエヌビディアのAI向けGPU「ブラックウェル」の強い需要に応えるため、世界最大規模のGB200チップ製造施設を建設していると明らかにしたことが好感されました。また、飲料メーカーのペプシコ[PEP]は四半期決算で、物価高や中東での不買運動を背景に2024年の売上高見通しを下方修正したものの、値上げやコスト管理などが利益を支え、調整後の1株当たり利益が市場予想を上回り1.9%上昇しました。一方で、中国政府による追加大型財政支援策の発表がなかったことで、米国上場のビリビリ[BILI]は12.9%下落、ニオ[NIO]は8.1%下落、アリババ[BABA]は6.7%下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い4.01%となりました。ドル円は、148円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。また、国内では本日、衆議院の解散が予定されています。選挙モードに突入するなか、日経平均はドル円の動きと政策関連で注目される内需株の動きが焦点となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)