東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、4日ぶりに反落となりました。前日比311円安の39,021円で寄り付いた日経平均は、前日の米国株式市場において主要3指数が揃って下落したことや、中東情勢の緊迫化が意識され売りが優勢となりました。

前場は、序盤は39,000円台で推移するも香港市場の開始後にハンセン指数が一時10%を超えて急落すると日本市場も下げ幅を拡大、日経平均は471円安の38,861円で前場の取引を終えました。

後場に入ると、下げは一服し38,850円近辺で推移、一進一退の様相をみせ最終的には395円安の38,937円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が反落、1.4%安となりました。

2.個別銘柄等

非鉄金属メーカーであるフジクラ(5803)が一時、前日比293円(5.9%)高の5,280円をつけ、年初来高値を更新しました。データセンターや生成AI向けの光コネクタ―の業績見通しが明るいとし、海外証券による目標株価の引き上げをきっかけに大幅続伸となりました。なお、本日の終値ベースでの年初来リターンは378.6%と、同リターンはTOPIX採用銘柄ではトップの好リターン銘柄となっています。

アドバンテスト(6857)は前日比179円(2.5%)高の7,370円と4日続伸となりました。10月に入り、アナリストによる目標株価の引き上げを背景に買い優勢で推移しており、モメンタムの強さが感じられます。

一方で、国内証券による目標株価の引き下げが明らかになった三越伊勢丹ホールディングス(3099)は前日比133円(5.4%)安の2,343円となりました。足元の為替相場にて、円高ドル安に推移したこと等を背景に、円安の恩恵に支えられてきた百貨店の免税売上に下押し圧力がかかることが懸念され、売りが優勢となりました。

決算銘柄では、ネクステージ(3186)が前日比298円(16.8%)安の1,481円となり、大幅安となりました。7日に発表された2024年11月期、第3四半期決算において通期の連結営業利益が前期比22.3%減の125億円、当期純利益は同26.4%減の85億円になる見込みであることが発表され、期初の業績予想から下方修正となったことから失望売りにつながりました。下方修正は、販売台数と1台当たりの利益それぞれが、当初想定よりも減少したことによるものと発表されています。

ドラッグストア大手の2社も大幅反落となりました。ウエルシアホールディングス(3141)は一時前日比145.5円(7.0%)安の1,923円となりました。2025年2月期、第2四半期決算において通期の営業利益を340億円へ下方修正し、従来予想から一転、減益となる見込みであることを発表したことが売りにつながっています。クリエイトSDホールディングス(3148)も、前日比140円(4.3%)安の3,100円で取引を終えました。2025年5月期、第1四半期決算にて連結営業利益は前年同期比10.7%増の52億円(対通期進捗率は24%)と堅調な決算内容を示すも、地合いの悪さもあり反落となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、1.0%の反落となりました。米国のソフトランディング期待を材料とした買いが一巡し、中東情勢リスク等に目が向けられた格好です。

足元では、北海ブレント原油、WTI原油先物ともに月初来で10%程度上昇し、また日経平均ボラティリティー・インデックスも10月に入り、30を超える水準で推移しています。当面は変動の激しい相場を意識することが重要かもしれません。

決算銘柄は、本日15時頃にJ.フロント リテイリング(3086)、米国市場ではペプシコ[PEP]が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)