【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,313.00  △137.89 (9/27)
NASDAQ: 18,119.59  ▼70.70 (9/27)

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はインフレ鎮静化を好感した買いで続伸となり史上最高値を更新しましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は半導体株に売りが出て反落となりました。52ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に453ドル高まで上昇した後伸び悩み上げ幅を縮めましたが、その後も堅調に推移すると結局137ドル高の42,313ドルと続伸となり、24日に付けた史上最高値(42,208ドル)を更新しています。一方でS&P500株価指数が7ポイント安の5,738ポイントと反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も70ポイント安の18,119ポイントと5日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

8月の米個人所得は前月比0.2%増に止まり市場予想を下回りました。8月の個人消費支出(PCE)も前月比0.2%増となり市場予想を下回っています。また、8月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.2.%上昇と伸びが前月から鈍化し市場予想も下回りました。9月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は70.1と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、エネルギーが2%余り上昇したほか、公益事業も1%高となりました。一方で5業種が下げ、情報技術が1%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもシェブロン[CVX]が2%を超える上昇となったほか、ビザ[V]とユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ボーイング[BA]、アムジェン[AMGN]、アメリカン・エキスプレス[AXP]も1%以上上げました。一方で6銘柄が下げ、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とスリーエム[MMM]、IBM[IBM]が1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株が安くブロードコム[AVGO]が3%安となり、エヌビディア[NVDA]とマイクロン・テクノロジー[MU]も2%以上下げました。アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も2%近く下落し、クアルコム[QCOM]とウエスタン・デジタル[WDC]も1%以上下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.05%低い3.75%となりました。ドル円は27日に自民党総裁選で日銀の利上げに批判的だった高市早苗経済安全保障相が勝利するとの思惑から一時146円台まで円安が進みましたが、その後日銀の独立性を尊重するとの姿勢を取っている石破茂元幹事長が新総裁に選出されたことから巻き戻しの動きとなり大きく円高に振れました。朝方は142円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場はドル円が大幅に円高となっていることに加え、金融所得課税の強化や法人税の引き上げについて言及している石破茂元幹事長が新総裁に選出されたことへの警戒感もあり大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)