東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日続落となりました。157円高の36,815円で寄り付いた日経平均はまもなくして241円高の36,898円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むとマイナスに転じ89円安の36,568円で前場を終えました。
60円安の36,596円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げると14時40分前に421円安の36,235円まで下落しました。その後は下げ渋ると引けにかけて持ち直しましたが、引き続き軟調に推移すると結局265円安の36,391円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
総務省が発表した7月の家計調査で、2人以上世帯の消費支出が3ヶ月ぶりにプラスに転じたことから小売株の一角が買われました。イオン(8267)が一時6.3%高、ヤオコー(8279)が一時2.8%高、ニトリホールディングス(9843)も一時3.5%高となり、イオンとヤオコーは上場来高値を更新しました。
中国電力(9504)や北海道電力(9509)も買われました。原子力発電所の早期再稼働に向けた投資を強化すると伝わったことから収益の改善を期待した買いが入り、中国電力が一時3.2%高となり、北海道電力も一時7.3%高となりました。
ラウンドワン(4680)も一時6.0%高となりました。夏休み期間が長い地域が多かったことなどにより集客が伸びたことなどから8月の国内の既存店売上高が前年同月比8.6%増となったことで大幅高となりました。
また、目標株価の引き上げを受けて積水ハウス(1928)が一時6.0%高となり上場来高値を更新したほか、セイノーホールディングス(9076)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時4.2%高となり年初来高値を更新しています。
一方で惣菜大手のロック・フィールド(2910)が一時2.8%安となりました。人件費の上昇や、創業者に対する特別功労金を特別損失に計上したこともあり第1四半期の最終損益が1憶円を超す赤字となったことで売りが優勢となりました。
さらに目標株価の引き下げを受けて日本製鉄(5401)が一時3.0%安となり、投資判断と目標株価の引き下げを受けてJFEホールディングス(5411)も一時3.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は265円安となりました。一昨日と昨日の2日間で2,000円以上下げた反動で買いが先行しましたが、8月の米雇用統計の発表を控えていることから様子見ムードが強く伸び悩むと売りが優勢となり、ドル円が円高に振れたこともあって下げ幅を広げ一時は420円以上下落する場面もありました。
その米雇用統計は日本時間の21時30分に発表となります。過去最大の下げ幅を記録した8月の急落は、7月の米雇用統計を受けて景気後退懸念が急速に高まったことがきっかけとなりました。今回は非農業部門の雇用者数と失業率が前回よりも改善するとみられています。
しかし、5日発表の8月のADP全米雇用リポートで民間部門の雇用者数が市場予想を大きく下回ったことで雇用減速への警戒感が改めて高まっています。そのため結果次第ではマーケットが大きく動く可能性もありそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)