東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに小幅反落となりました。44円高の38,745円で寄り付いた日経平均は10時20分過ぎに266円高の38,967円まで上昇しましたが、節目の39,000円を前に伸び悩むと86円高の38,787円で前場を終えました。
マイナスに転じ44円安の38,656円でスタートした後場の日経平均はまもなくして119円安の38,581円まで下落しました。その後下げ渋ると大引け間際に小幅にプラスとなる場面もありましたが、上値は重く伸び悩むと結局14円安の38,686円で取引を終えています。
一方でTOPIXが上昇となったほか、新興市場も高く東証グロース市場250指数が1.9%高となっています。
2.個別銘柄等
大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)が一時12.7%高となりました。航空機向けのスポンジチタンの需要が強まるなか、約330億円を投じて本社尼崎工場の製造設備を増強し、スポンジチタンの生産能力を現在の年間4万トンから5万トンへと引き上げると発表したことから買いを集めました。
TBSホールディングス(9401)も一時6.9%高となりました。完全子会社が保有する投資有価証券の一部を売却し、投資有価証券売却益を計上する見込みとなったと発表したことから大幅高となりました。
また、長期金利の上昇を受けて生保株が高く、第一生命ホールディングス(8750)が一時3.6%高、T&Dホールディングス(8795)も一時3.0%高となりました。
さらに三菱ケミカルグループ(4188)が目標株価の引き上げを受けて一時4.3%高となり、NTTデータグループ(9613)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時5.1%高となりました。
東証スタンダード市場ではサトウ食品(2923)が一時5.7%高となりました。パックご飯「サトウのごはん」シリーズ全商品の希望小売価格を12月2日の出荷分から約11-14%引き上げると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。
一方で伊藤園(2593)が一時4.7%安となりました。国内で主力の緑茶飲料が伸びなかったことや、原材料などのコスト増もあり第1四半期の営業利益が前年同期比で28.7%減となったことから売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は14円安となりました。一時147円台前半まで進んだ円安を受けて260円以上上げる場面もありましたが、節目の39,000円を前に伸び悩むとドル円が146円台を付け円安一服となったことで後場に入りマイナスに転じました。そのため上値の重さが改めて意識されそうで、ドル円の動向に神経質な展開が当面は続きそうです。
なお、日本時間の23時には8月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)