【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,712.78  ▼177.71 (8/22)
NASDAQ: 17,619.35  ▼299.63 (8/22)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出たことや、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエルFRB議長の講演を前に持ち高調整の売りが出て反落となりました。41ドル高でスタートしたダウ平均は直後に136ドル高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むとマイナスに転じ、午後には一時306ドル安まで下落する場面もありました。その後は下げ渋ると取引終盤にやや持ち直しましたが、上値は重く結局177ドル安の40,712ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も299ポイント安の17,619ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比4000件増の23万2000件となり市場予想以上に悪化しました。8月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値も48.0と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で7月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比1.3%増の395万戸となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、情報技術が2%以上下落したほか、一般消費財・サービスも2%近く下げました。また、コミュニケーション・サービスも1%近く下落しています。一方で不動産と金融、エネルギーの3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

長期金利の上昇を受けて主力ハイテク株が安く、テスラ[TSLA]が5%を超える下落となったほか、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とマイクロソフト[MSFT]も2%以上下げました。ネットフリックス[NFLX]も1%以上下落しています。半導体関連株も下げが目立ち、半導体株ではインテル[INTC]が6%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、エヌビディア[NVDA]とアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]、マイクロン・テクノロジー[MU]も3%を上回る下落となりました。クアルコム[QCOM]も3%近く下げ、ブロードコム[AVGO]とテキサス・インストゥルメンツ[TXN]も2%以上下落しています。半導体製造装置株ではアプライド・マテリアルズ[AMAT]とラム・リサーチ[LRCX]が4%以上下げ、KLA[KLAC]も3%を超える下落となっています。一方でビデオ会議のズーム・ビデオ・コミュニケーションズ[ZM]が決算で1株利益が市場予想を上回ったことから13%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い3.85%となりました。こうしたなかドル円はやや円安に振れ146円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日銀の植田和男総裁が衆参両院の閉会中審査に出席する予定で、そこでの発言が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)