東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続伸となりました。303円高の36,535円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分余りで451円高の36,683円まで上昇した後伸び悩むと、岸田文雄首相による自民党総裁選の不出馬を巡る報道で不安定な値動きとなり、11時10分過ぎにマイナスに転じ157円安の36,074円まで下落しました。
その後下げ渋るとしばらくは昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となりましたが、14時30分ごろから買いが優勢になると引けにかけて上げ幅を広げ結局209円高の36,442円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
サッポロホールディングス(2501)が一時16.0%高となりました。主力ビール「黒ラベル」などの販売が好調だったことなどにより上期の営業損益が76億円を超す黒字となり、市場予想を大きく上回ったことで買いを集めました。
第1四半期決算を発表したラクス(3923)や光通信(9435)も買われました。ラクスはインボイス制度や改正電子帳簿保存法を追い風に経費精算サービス「楽楽精算」などのクラウド事業が伸びたことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で2.3倍となったことで一時10.5%高となりました。
光通信も新電力事業や飲料事業の生産性向上で第1四半期の営業利益が前年同期比で13.6%増となったことや、自己株式を除く発行済株式総数の1.13%にあたる50万株、100億円を上限とした自社株買いを発表したことから一時7.7%高となりました。
また、日本ハム(2282)が目標株価の引き上げを受けて一時3.1%高となったほか、フジクラ(5803)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時7.5%高となっています。
一方でメルカリ(4385)が一時10.8%安となりました。2024年6月期の営業利益は前期比で6.7%増となりましたが、第4四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で24.9%減となったことで大幅安となりました。
ヘアカット専門店「QBハウス」などを展開するキュービーネットホールディングス(6571)も一時19.7%安となりました。国内外での店舗拡大に伴う人件費などのコスト増が重荷となり2025年6月期の営業利益が前期比で10.2%減となる見通しを示したことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は209円高となりました。7月の米卸売物価指数(PPI)がインフレ鈍化を示す内容だったことで昨日の米国市場が大幅上昇となったことで買いが優勢となりました。
450円以上上げる場面もありましたが、一時146円前半まで円高が進んだこともあってマイナスに転じると150円以上下げる場面もありました。そのため日中の値幅こそ609円と徐々に小さくなりつつあるもののマーケットは依然として不安定だといえそうで、引き続きドル円の動向に神経質な展開が続きそうです。
なお、日本時間の21時30分には7月の米消費者物価指数(CPI)が発表となります。米卸売物価指数(PPI)同様にインフレ鈍化を示す内容となるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)