少し早い夏休みを取って秋田駅から五能線に揺られ十二湖へ。秋田県と青森県を跨ぐ世界自然遺産の白神山地の麓にあり、ブナ林に囲まれた33もの天然湖沼で知られる十二湖。快晴に恵まれた8月上旬の青森は30度を超える暑さ。避暑地とあって念の為長袖のパーカーを持ち歩いていたのですが、パーカーを羽織ったのは東北新幹線の車中と冷房のきついレストランのみで、トレッキング中は汗だくでした。青いインクが溶け出したような深いコバルトブルーが目に涼しい青池では、若い男性2人組が「きれいだなぁ、ずっと見ていられるよ」と興奮していたのが印象に残っていますが、確かに、ジブリのシシ神様がスーッと水面に現れるのではないかというような神秘的な光景に、心の澱が溶け出していくような癒やしを覚えました。

もう一つの感動は、お蕎麦。十二湖、八景の池のほとりにある「そばいろ茶屋」。池上にせり出した広間には昭和の扇風機が4~5台。池の景色を眺め扇風機の風にあたりながらいただいた白神の水を使った手打ち蕎麦は絶品でした。また食べたいと思うのですが、なかなか簡単に行ける場所ではないのです。携帯電話の電波も届かぬ場所ですので相場が荒れている時にはおすすめしませんが、ゆとりのある時にぜひ。

夕暮れからは一気に気温が低下し、コテージでは冷房を使うことなく一夜を過ごすことができました。涼やかな日暮の声を聞きながら眠りにつけるというのはなんと贅沢なことでしょう。英気を養うことができましたので、ふたたび混迷極めるマーケット観測に戻ります。今から夏休みという方も多いかと存じます、良い夏休みを!