東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅続落となりました。682円安の37,444円で寄り付いた日経平均は取引開始から1時間余りで2,019円安の36,107円まで下落した後下げ渋ると10時50分前に1,469円安の36,656円まで持ち直しました。しかし、前引けにかけて下げ幅を広げると1,864円安の36,261円で前場を終えました。
1,810円安の36,316円でスタートした後場の日経平均は13時20分過ぎに1,685円安の36,440円までやや持ち直しましたが、節目の36,500円を前に上値は重く下げ幅を広げると大引け間際に2,246円安の35,880円まで下落し結局2,216円安の35,909円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も安く、東証グロース市場250指数が7.5%安となり年初来安値を更新しています。
2.個別銘柄等
第1四半期決算が大幅増益となった日本ハム(2282)やコナミグループ(9766)が買われました。日本ハムは量販店向けの国産豚肉や外食向けの輸入牛肉・豚肉の販売が好調だったことなどにより第1四半期の事業利益が前年同期比で20%増となり、240億円とみていた上期の事業利益の見通しを260億円に上方修正したことから一時11.8%高となりました。
コナミグループもサッカーゲームが好調だったことなどにより第1四半期の事業利益が前年同期比で46.6%増となったことから一時8.7%高となっています。
一方で第1四半期決算が冴えなかった京セラ(6971)やヤマトホールディングス(9064)が大幅安となり年初来安値を更新しました。京セラは自動車向けの電子部品が不振だったことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で18.4%減となったことから一時9.6%安となりました。
ヤマトホールディングスもデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や貨物専用機の導入などの先行投資がかさみ第1四半期の営業損益が142億円の赤字となったことから一時14.2%安となっています。
また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が7%余りの大幅な下げとなったことで半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が一時13.0%安、SCREENホールディングス(7735)が一時13.9%安、レーザーテック(6920)が一時11.0%安、アドバンテスト(6857)が一時8.9%安、ディスコ(6146)が一時9.5%安、ソシオネクスト(6526)も一時13.9%安となり、SCREENホールディングスとレーザーテックは年初来安値を更新しています。
また、昨日の米国市場で傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が15%以上下げたことでソフトバンクグループ(9984)も一時9.1%安となっています。
さらに日米の長期金利の低下を受けてメガバンクや生保株が安く、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時12.5%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時11.6%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)が一時11.0%安となったほか、第一生命ホールディングス(8750)が一時11.3%安、T&Dホールディングス(8795)も一時9.4%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は2,216円安となりました。米国経済の減速懸念による米国株安に加え、本日もドル円が一時148円台を付けるなど円高傾向が続いていることから急落となり、過去2番目の大きな下げ幅となりました。
200日移動平均線(36,858円)を大きく割り込んだこともあり警戒ムードがさらに強まりそうですが、昨日と本日の2日間で3,200円近くも下げたことから週明け以降の自律反発に期待したいところです。
なお、決算発表が続いています。本日も引け後には任天堂(7974)や三井住友フィナンシャルグループ(8316)、三井不動産(8801)、川崎汽船(9107)などが決算を発表する予定です。
また、日本時間の21時30分には7月の米雇用統計が発表されます。米連邦準備制度理事会(FRB)による今後の金融政策や景気動向を占ううえで関心の高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)