東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに大幅反落となりました。320円安の38,781円でスタートした日経平均は寄り付きを高値に下げ幅を広げると10時40分過ぎに1,363円安の37,737円まで下落しましたが、押し目買いが入りやや持ち直すと1,007円安の38,094円で前場を終えました。

1,043円安の38,057円でスタートした後場の日経平均は13時40分過ぎに1,131円安の37,970円まで下落しましたが、節目の38,000円を割り込んだところで下げ渋るとやや戻し結局975円安の38,126円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

第1四半期決算を発表したアドバンテスト(6857)が一時16.1%高となりました。生成AIに向けた半導体需要の高まりに連動して関連する半導体試験装置需要の顕著な増加が見込まれることなどにより900億円とみていた通期の営業利益を1380億円に上方修正したことから買いを集めました。

同じく通期の営業利益を上方修正した日本化薬(4272)や日清製粉グループ本社(2002)も高く、日本化薬が一時12.3%高となり年初来高値を更新し、日清製粉グループ本社も一時4.8%高となっています。

また、同じく第1四半期決算を発表した日立(6501)やTOTO(5332)も買われました。日立は企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を支援する「ルマーダ」事業が伸びたことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で51.4%増となったことから一時7.9%高となりました。

TOTOも国内でリフォーム向け製品の値上げが寄与したことや、海外事業が好調だったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で2.4倍となったことから9.6%高となり年初来高値を更新しています。

一方で円高を受けて自動車株が売られました。取引時間中の13時25分に決算を発表したトヨタ(7203)が決算発表後に一段安となり8.5%安となったほか、日産(7201)とホンダ(7267)が一時5.6%安、マツダ(7261)が一時6.7%安、SUBARU(7270)も一時8.8%安となり、日産とマツダは年初来安値を更新しています。

三菱電機(6503)も一時14.6%安となりました。ファクトリーオートメーション(FA)や空調事業が不振で第1四半期の営業利益が前年同期比で3.8%減となったことから売りが膨らみました。

ソフトバンクグループ(9984)も一時7.2%安となりました。決算を発表した傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が米国市場の時間外取引で急落したことから大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は975円安となりました。一時148円台半ばまで進んだ円高を受けて大幅安となりました。節目の38,000円を下回ったところでは押し目買いが入り下げ渋りましたが、75日移動平均線(39,006円)や39,000円、38,500円、一目均衡表の雲の下限(38,260円)などチャート上の節目や心理的な節目を次々と割り込み大きな下げとなったことから警戒ムードが改めて強まりそうで、当面はドル円の動きに神経質になる展開が続きそうです。

なお、決算発表が本格化しています。本日も引け後には日本製鉄(5401)や京セラ(6971)、三井物産(8031)三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などが決算を発表する予定です。

また、日本時間の21時30分に米新規失業保険申請件数や4-6月の米労働生産性指数が発表されるほか、23時には7月の米ISM製造業景況感指数などが発表される予定です。

さらに8月1日の米国ではアップル[AAPL]やインテル[INTC]、アマゾン・ドット・コム[AMZN]などの大手ハイテク企業が決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)