モトリーフール米国本社、 2024年7月20日投稿記事より

出遅れ感が共通点

自分のポートフォリオに組み入れる新しい銘柄を探すのに、ウォーレン・バフェット氏のアイデアを拝借し、バークシャー・ハサウェイ[BRK.B]の保有銘柄を参考にするというのは良いアイデアかもしれません。結局のところ、バークシャー・ハサウェイの市場を凌駕するパフォーマンスがすべてを物語っています。

以下では、バークシャー・ハサウェイが保有する3銘柄に注目します。どの銘柄も、最近はやや出遅れていますが、その状況も近いうちに変わるかもしれません。

クラフト・ハインツ[KHC]は予想配当利回り4.9%

2015年にかつてのクラフト・フーズとハインツが合併してクラフト・ハインツ[KHC]が誕生したことについて、バフェット氏が合併によるメリットとその難しさを見誤ったことは否定できません。意図していたシナジーやスケールメリットが実現することはありませんでした。それどころか、2つの会社を1つに統合したことで、解決する課題よりも多くの問題を引き起こしました。2019年、バフェット氏はついに、「クラフトに金を払い過ぎた」ことを認めました。しかし、過ちを認めたところで、合併からの4年間でクラフト・ハインツの株価が半値に下落したのを見てきた株主にとっては、何の意味もありませんでした。それ以来、状況は何も進展していません。

しかし、古いことわざにあるように、時間はあらゆる傷を癒してくれます。当時予想されていたよりもはるかに長い時間がかかりましたが、クラフト・フーズとハインツの合併はようやく実を結び始めています。カルロス・エイブラムス・リベラCEOによる新たなリーダーシップの下でクラフト・ハインツは、イノベーション、コスト削減、巧みなプロモーションといった、有意義でハイレベルの取り組みができるようになりました。その一例として、同社は先日、任天堂(7974)の人気ゲームキャラクターであるスーパーマリオとのコラボによるマカロニ&チーズを発表しました。

コスト削減に関しては、会社側は数年前に発表し、サプライチェーンから着手することを明らかにした25億ドル相当の効率化に向けて、順調に進んでいると述べています。

今のところ、こうした進展も投資家からは注目されていないようです。同社はやるべきことをやっており、売上高と利益も当面は成長が見込まれます。市場もいずれ、それに気づくはずです。その間、予想配当利回りが4.9%という健全な水準にあるうちに投資するのも選択肢です。

四半期配当欠かさないチャブ[CB]

大手企業の名前が連なるバークシャー・ハサウェイの保有銘柄の中で、損害保険会社チャブ[CB]は明らかに最も注目されていない銘柄です。実際に、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの中で10番目に大きいポジション(約70億ドル相当)を占めているにもかかわらず、多くの投資家はバフェット氏がチャブ株式を2600万株も保有していることすら知らないかもしれません。

チャブは、ほとんどありとあらゆるものを保険でカバーしています。住宅、自動車、旅行、さらには個人情報の盗難によるなりすまし犯罪といった個人向けの保険だけでなく、企業向けにもさまざまな種類の保険を提供しています。スイスに本社を置き、2023年も淡々と事業を行い、90億ドル強の純利益を稼ぎだしました。

保険事業は、長期にわたって安定した信頼できる事業で、年間の保険料は主に前年の保険金支払いに基づいて決められます。大局的に見ると、実際にはかなり予測可能な業界であり、世の中が必要とする経済的保護の計算式の中に、成長も組み込まれています。

バフェット氏をはじめとするチャブの株主にとって、このビジネスモデルのメリットは、キャッシュフローが安定しているおかげで安定的に増配を実現できることにあります。実際に、チャブは長年にわたり、四半期ごとに欠かさず配当を支払っているだけでなく、31年連続で年間配当を引き上げています。足元の配当利回りは1.4%と、それほど高くありませんが、配当が今後も増加し続けることはほぼ確実と思われます。

しかも、チャブの2024年予想株価収益率(PER)は約12倍、2025年予想PERはほぼ11倍と、バリュエーションは低く、足元の株価は魅力的です。

クローガー[KR]は競合買収に注目

最後に紹介するのは、スーパーマーケットチェーンを展開するクローガー[KR]です。

クローガーが進めるライバル会社アルバートソンズ[ACI]の買収計画には厄介(しかし予測可能)なハードルがあります。具体的には、クローガーが競争の阻害につながる一部の店舗を売却する意図があるにもかかわらず、連邦取引委員会(FTC)が買収の実現を断固阻止しようとしている問題です。追加の妥協案をFTCがどこまで受け入れるかは未知数ですが、当局が合併後の規模を可能な限り小さくしようとしていると考えるのは、あながち間違いではないと思われます。

クローガーが一部店舗を買収前に売却する意図があることを発表して以降、同社の株価が4月のピークから下落しているのは、これが主な理由でしょう。

結局、この合併にどれだけの時間、エネルギー、配慮が注がれてきたか、そして合併によるメリットを考えると、両社とも計画を断念することはないでしょう。両社は、FTCが納得するまで解決策を出し続けるか、いざとなれば法廷で正当性を主張するしかありません。投資家はこの前提を受け入れ始めていると見られ、クローガーの株価は上向いています。

バークシャー・ハサウェイはクローガー株5000万株を保有しており、総額27億ドルに相当します。これは2019年から徐々に買い足してきたもので、その間ずっと手厚い配当が支払われています。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者James Brumleyは、記載されているどの企業の株式も保有していません。モトリーフール米国本社はバークシャー・ハサウェイの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社はクラフト・ハインツ、クローガー、任天堂の株式を推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。