東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。176円高の41,366円で寄り付いた日経平均はまもなくして29円高の41,220円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスとなることなく踏み止まると持ち直し9時50分過ぎには329円高の41,520円まで上昇しました。しかし、節目の41,500円を上回ったところで伸び悩むと209円高の41,399円で前場を終えました。

169円高の41,359円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに226円高の41,417円まで上昇した後上げ幅を縮めると結局84円高の41,275円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表し通期の業績予想を上方修正した良品計画(7453)やビックカメラ(3048)、ジンズホールディングス(3046)が買われました。良品計画は既存店の売上が想定を上回って推移しているうえ、売上の上振れにより値下げが抑制され利益率が改善したことなどから480億円とみていた2024年8月期の営業利益の見通しを530億円に引き上げたことで一時9.9%高となり年初来高値を更新しました。

ビックカメラもインバウンド売上が予想を上回ったことに加え、販管費の抑制に努めたことなどにより195億円とみていた2024年8月期の営業利益の見通しを225億円に上方修正したことで一時6.1%高となり年初来高値を更新しました。

ジンズホールディングスもオプションレンズ装着率の上昇などにより売上高が予想を上回る見込となったことなどから55億円とみていた2024年8月期の営業利益の見通しを63億円に上方修正したことで一時7.8%高となっています。

第1四半期決算を発表した松屋(8237)も一時13.1%高となり年初来高値を更新しました。訪日外国人の増加に伴い免税売上高が想定以上に拡大したことにより25億円とみていた2025年2月期の営業利益の見通しを50億円に引き上げたことで上げ幅を広げました。

アシックス(7936)も一時7.6%高となり上場来高値を更新しました。日本や中華圏でオニツカタイガーが引き続き伸びると見込まれることに加え、粗利益率の改善も見込まれることなどにより580億円とみていた2024年12月期の営業利益の見通しを950億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。

また、東証スタンダード市場では出前館(2484)が一時33.2%上昇しストップ高となる場面がありました。自己株式を除く発行済み株式総数の16.66%にあたる2200万株、50億円を上限とする自社株買いを発表したことで買いを集めました。

一方でイオン(8267)が一時4.2%安となりました。プライベートブランド(PB)商品の値下げや、人件費などの負担増もあり第1四半期の営業利益が前年同期比で7.1%減となったことから売りが優勢となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は84円高となりました。昨日の米国市場が続伸となりダウ平均が2ヶ月ぶりに史上最高値を更新したことや、先週末に1,000円以上下げた反動もあり買いが優勢となりました。

しかし、一時は330円近く上げる場面もありましたが、節目の41,500円を上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮め小幅な上昇に止まりました。そのため一日を通して堅調に推移したものの上値の重さが意識されそうです。

なお、21時30分には6月の米小売売上高や6月の米輸出入物価が発表される予定です。また、米国では先週から決算発表がスタートしています。16日もユナイテッドヘルス・グループ[UNH]やバンク・オブ・アメリカ[BAC]、モルガン・スタンレー[MS]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)