東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに大幅反発となりました。172円高の40,953円で寄り付いた日経平均は直後に161円高の40,942円を付けた後上げ幅を広げると606円高の41,386円で前場を終えました。

678円高の41,459円でスタートした後場の日経平均は一段高となり14時20分前に988円高の41,769円まで上昇しました。その後は伸び悩みましたが、引き続き堅調に推移すると結局799円高の41,580円で取引を終え史上最高値を更新しています。

一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で半導体株が買われた流れを受けて日本市場でも半導体関連銘柄が高く、東京エレクトロン(8035)が3.8%高、アドバンテスト(6857)が4.1%高となりました。

また、日経平均が大幅高となるなか指数寄与度の大きいソフトバンクグループ(9984)が4.1%高、ファーストリテイリング(9983)も3.2%高となり、ソフトバンクグループは上場来高値を更新し、東京エレクトロンとアドバンテスト、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリングの4銘柄で日経平均を430円近く押し上げています。

本決算を発表したウェザーニューズ(4825)も一時14.8%高となりました。個人向け気象アプリの利用者増による広告収入や、有料会員からの課金収入が伸びるとみられることなどにより2025年5月期の営業利益が前期比で16.2%増となる見通しを示したことから上げ幅を広げました。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)も一時7.8%高となり年初来高値を更新しました。スマホ向け新作ゲーム「ディズニーピクセルRPG」の2024年内サービス開始を発表したことを材料視した買いが入りました。

さらに投資判断と目標株価の引き上げを受けてスズケン(9987)と日本発条(5991)が高く、スズケンが一時6.2%高となり年初来高値を更新したほか、日本発条も一時7.3%高となっています。

一方でウエルシアホールディングス(3141)が一時6.6%安となり年初来安値を更新しました。たばこの取り扱いを終了したことによる販売減少や、ポイントサービスの変更などにより第1四半期の営業利益が前年同期比で25.5%減となったことから大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は799円高となりました。昨日の米国市場で半導体株が買われS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから反発し、4日に付けた史上最高値(40,913円)を大きく上回り一時は1,000円近く上昇する場面もありました。

そのため一段高への期待が高まりそうですが、25日移動平均線(39,355円)との乖離率が5%超まで広がり短期的な過熱感が強まるなかで堅調な地合いを維持し、さらに水準を切り上げることができるかが明日はポイントとなりそうです。

なお、日本時間の本日23時にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米上院銀行委員会で証言を行う予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)