東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。49円安の40,863円で寄り付いた日経平均は10時10分前に126円安の40,785円まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し87円高の40,999円で前場を終えました。

106円高の41,018円でスタートした後場の日経平均は12時50分前に199円高の41,112円まで上昇しましたが、その後伸び悩むとマイナスに転じ結局131円安の40,780円で取引を終えています。

一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が一時3.4%高と上場来高値を更新しました。先週の米国市場で傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が7%を上回る上昇となったことから買いが優勢となりました。

ジンズホールディングス(3046)も一時8.8%高となりました。サマーシーズンに向けた季節性商品である紫外線や光によって変化する可視光調光レンズ等のオプションレンズの需要が、単価上昇や客数増加を牽引したことなどより6月の既存店売上高が27.1%増となったことから大幅高となりました。

三井松島ホールディングス(1518)も14.3%上昇しストップ高となりました。不動産担保融資を手がけるエム・アール・エフの買収などにより49億円とみていた2025年3月期の営業利益の見通しを60億円に上方修正したことで買いを集めました。

不動産流動化事業を手掛けるトーセイ(8923)も一時2.9%高となりました。不動産開発事業が伸びたことなどにより上期の営業利益が前年同期比で19.1%増となり、通期予想に対する進捗率が84.2%となったことから業績の上振れを期待した買いが入りました。

一方で安川電機(6506)が一時4.6%安となりました。中国の景気減速の影響に加え、サーボモーターなどの販売が不調だったことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で32.4%減となったことから大幅安となりました。

日立造船(7004)も一時5.4%安となりました。子会社2社が手掛ける大型船舶用エンジンで燃費データを改ざんしていたと発表したことから売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は131円安となりました。先週末の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから一時200円近く上げ、4日に付けた最高値(40,913円)を上回る場面もありましたが、伸び悩むと三桁の下落となりました。

しかし、先週末までの2週間で2,300円以上も上げていたことからすると一旦上値が重くなるのは当然で、今週は利益確定の売りが出やすく、上場投資信託(ETF)の分配金の捻出売りも予想されるなかで、どこまで水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、小売り企業を中心とした2月決算銘柄の第1四半期決算発表が続いています。本日も引け後にはウエルシアホールディングス(3141)やライフコーポレーション(8194)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)