昨日、日経平均が3ヶ月ぶりに4万円を再度達成しました。利上げも想定される環境にしては底堅いですね。言うまでもなく、これを支えている大きな要因は新NISAによる個人投資家の買いです。

新NISAの利用状況を年齢別にみてみるといくつか興味深い点がわかります。昨年比で見た今年1-3月の買付額は、意外なくらい、どの年齢層でもまんべんなく利用額が増加しています。そんな中で、最も大きく増加したのは、30歳代から40歳代。買付額は前年比で約4.3倍に急増しています。投資していない人々も含めた総人口で割った平均買付額は、富裕層が多い60歳代に次ぐ金額となっています。投資家層の若返りが図られつつある印象です。

若い世代のもう一つの特徴は、過去に比べて成長投資枠での投資がより積極的になっていること。20歳代から30歳代の投資家の積立額は、昨年の2倍程度と、枠上限の拡大(3倍)に応じた程度なのですが、成長投資枠は、昨年の一般枠との比較で約6倍にも増加しています。成長投資枠の投資先は国内株主体とされていることから、1-3月の国内株式市場の活況を裏付けるデータです。

それでもまだ3月末のNISAの口座数は2322万口座で、政府目標の3400万口座には1000万口座以上足りません。投資に興味を持つ人はさらに増えると見られることから、政府目標も通過点に過ぎないかもしれません。

投資の威力は、個人資産の増加となって如実に表れています。今年3月末の個人金融資産は2199兆円と、1年間で146兆円も増加しました。伸びの大半は株式や投資信託、海外証券投資の増加によるものです。

短いながら、こうした成功体験が積み上がりつつあることで、長らく掛け声先行だった「貯蓄から投資へ」のモメンタムが軌道に乗りました。この流れは、そう簡単には止まらない気がします。