【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 39,118.86  ▼45.20 (6/28)
NASDAQ: 17,732.60  ▼126.08 (6/28)

1.概況

先週末の米国市場は決算を発表したナイキ[NKE]の急落が重石となったほか、四半期末の持ち高調整の売りも出て反落となりました。71ドル安でスタートしたダウ平均は米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが鈍化したこともありプラスに転じると上げ幅を広げ279ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと午後に入って売りが優勢となり取引終盤には226ドル安まで下落しました。その後は引けにかけて持ち直しましたが、戻し切れず結局45ドル安の39,118ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も126ポイント安の17,732ポイントと4日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

5月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増に止まり市場予想を下回りました。また、5月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.6%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想と一致しています。一方で5月の米個人所得は前月比0.5%増となり市場予想を上回りました。6月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も47.4と前月から上昇し市場予想を上回りました。6月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も68.2と速報値から上方修正され市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、コミュニケーション・サービスと一般消費財・サービス、公益事業が1%以上下落しました。一方で不動産やエネルギーなどの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではナイキが20%近く下落し、ダウ平均を1銘柄で120ドル余り押し下げました。決算で売上高が市場予想を下回ったうえ、通期の売上高が減収となる見通しを示したことで売りが膨らみました。メルク[MRK]も4%を超える下落となったほか、ウォルト・ディズニー[DIS]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]も2%以上下げています。一方でユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が4%を超える上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、光通信機器のインフィネラ[INFN]が急伸し16%近く上げています。フィンランドの通信機器大手ノキアが23億ドルで買収すると発表したことで、買収価格にさや寄せする格好で上げ幅を広げました。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は経済指標の発表を受けて景気の先行きに対する懸念が後退し0.11%高い4.39%となりました。ドル円は160円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場でダウ平均の下げが小幅に止まるなか、本日の日本市場は先週末の堅調な地合いを引き継ぎ上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は寄り付き前の8時50分に6月の日銀短観が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)