東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに反落となりました。232円安の39,434円で寄り付いた日経平均は10時10分過ぎに473円安の39,193円まで下落しましたが、売り一巡後に下げ渋ると380円安の39,286円で前場を終えました。

367円安の39,299円でスタートした後場の日経平均は13時40分前に453円安の39,213円まで下落した後下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局325円安の39,341円で取引を終えています。

一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

日立(6501)が株式分割による基準値比で一時4.2%高となり上場来高値を昨日に続いて更新しました。1株を5株にする株式分割により投資に必要な最低金額が大きく下がったことを好感した買いが入りました。

大阪有機化学工業(4187)も一時11.3%高となり年初来高値を更新しました。化成品事業においてディスプレイ用粘着剤向けやUVインクジェット用インク向けの販売が大幅に増加したことなどにより37億円とみていた2024年11月期の営業利益の見通しを42億円に上方修正したことで上げ幅を広げました。

医薬品商社のアステナホールディングス(8095)も一時8.3%高となり年初来高値を更新しました。医薬事業において薬価改定で一部の製品が不採算品再算定、基礎的医薬品認定によって薬価が上昇したことにより2024年11月期の営業利益の見通しを11億5000万円から16億円に引き上げたことで大幅高となりました。

創薬ベンチャーのネクセラファーマ(4565)も一時4.1%高となりました。米製薬大手アッヴィ[ABBV]との神経疾患における創薬連携において、開発の進捗に応じて受け取るマイルストーン収入を1000万ドル受け取ると発表したことで買いが優勢となりました。

一方で米国市場の取引終了後に決算を発表した半導体大手の米マイクロン・テクノロジー[MU]が時間外取引で大幅安となったことから半導体関連銘柄の一角が売られました。なかでもSCREENホールディングス(7735)が一時6.5%安となったほか、東京エレクトロン(8035)も一時2.7%安となりました。

また、あすか製薬ホールディングス(4886)が投資判断の引き下げを受けて5.8%安となったほか、TOYO TIRE(5105)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時3.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は325円安となりました。昨日の米国市場が小幅な上昇に止まるなか、戻り待ちや利益確定の売りが出て下落となりました。また、取引終了後に決算を発表した米マイクロン・テクノロジーが時間外取引で大幅安となったこともあり下げ幅を広げました。

しかし、昨日までの3日間で1,000円以上上げていたことからすると当然の反動だとみることもできそうで、堅調な地合いは大きく崩れていないといえそうです。

なお、日本時間の21時30分に米新規失業保険申請件数や5月の米耐久財受注額、1-3月期の米実質国内総生産(GDP)確定値が発表される予定です。さらに明日は日本時間の午前10時から民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領による11月の米大統領選に向けた第1回のテレビ討論会が行われる予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)