東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。171円高の38,653円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分で315円高の38,797円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと225円高の38,707円で前場を終えました。

133円高の38,615円でスタートした後場の日経平均は13時30分過ぎにマイナスに転じました。しかし、28円安の38,453円で下げ渋ると持ち直し結局88円高の38,570円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

三菱自動車工業(7211)が一時9.5%高となりました。今期の年間配当予想額の上積みや、2018年以来の自社株買いを視野に株主還元を拡大する方針で、投資の計画にめどがついた段階で追加還元の具体策を決めると伝わったことから買いを集めました。

ニデック(6594)も一時4.5%高となりました。永守重信グローバルグループ代表が生成AI(人工知能)向けのサーバー冷却装置を1兆円規模の事業に育てたいと述べたと伝わったことで大幅高となりました。

レンズ製造大手のタムロン(7740)も一時6.7%高となり上場来高値を更新しました。今期の中間配当を70円とし、従来予想から20円積み増すと発表したことを好感した買いが入りました。

ソフトバンクグループ(9984)も一時4.2%高となり年初来高値を更新しました。昨日の米国市場で傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が8%以上上げたことで買いが優勢となりました。

また、目標株価の引き上げを受けて不二製油グループ本社(2607)やアシックス(7936)が高く、不二製油グループ本社が一時5.4%高となり年初来高値を更新したほか、アシックスも一時5.8%高となり上場来高値を更新しました。

一方で帝人(3401)が一時4.7%安となりました。傘下のインフォコム(4348)が連結から外れることを反映し通期の営業利益の見通しを260億円から160億円に下方修正したことから売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は88円高となりました。昨日の米国市場が続伸となりS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が連日で史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。

しかし、一時は315円以上上げる場面もありましたが、25日移動平均線(38,732円)を上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮め小幅にマイナスとなる場面もありました。

そのため100日移動平均線(38,582円)の回復に失敗したこともあり上値の重さが意識されそうです。なお、今晩の米国市場は奴隷解放記念日の祝日で休場です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)