東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。331円高の38,433円で寄り付いた日経平均は10時過ぎに230円高の38,332円まで上げ幅を縮めましたが、そこから切り返すと11時20分過ぎに416円高の38,519円まで上昇し401円高の38,504円で前場を終えました。

322円高の38,424円でスタートした後場の日経平均は14時10分過ぎに273円高の38,375円まで上げ幅を縮めましたが、大引けにかけて持ち直すと379円高の38,482円で取引を終えています。

一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

TDK(6762)が一時7.4%高となり上場来高値を更新しました。従来品に比べてエネルギー密度を約100倍に高められる全固体電池向けの新材料を開発したと発表したことを材料視した買いが入りました。

任天堂(7974)も一時3.8%高となりました。「スーパーマリオ」の新作アニメ映画の国内公開日が2026年4月24日に決定したと発表したことで買いが優勢となりました。

楽天グループ(4755)も一時5.5%高となりました。傘下の楽天モバイルの携帯電話の契約回線数が、法人契約などが好調に推移したことなどにより700万件を超え、過去最高を更新したと発表したことを好感した買いが入りました。

JR東海(9022)も一時5.2%高となりました。リニア中央新幹線トンネルの山梨県側のボーリング調査や掘削工事の実施に向けて、山梨、静岡両県とJR東海が三者合意を締結する方向で最終調整に入ったと伝わったことで上げ幅を広げる場面がありました。

また、目標株価の引き上げを受けて上場来高値を更新したのが三菱重工業(7011)とテレビ東京ホールディングス(9413)で、三菱重工業が5.0%高となり、テレビ東京ホールディングスも6.4%高となっています。

一方で武田薬品工業(4502)が一時3.7%安となり年初来安値を更新しました。小児難治性てんかん治療薬として開発中の「ソチクレスタット」の最終段階の治験で主要な評価項目を達成できなかったと発表したことを嫌気した売りが出ました。

さらに目標株価の引き下げを受けてヤーマン(6630)やメルカリ(4385)が安く、ヤーマンが2.8%安となり年初来安値を更新したほか、メルカリも一時6.0.%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は379円高となりました。ハイテク株などが買われ昨日の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから大幅高となりました。

しかし、一時は410円以上上げ節目の38,500円を回復する場面もありましたが、100日移動平均線(38,562円)を前に伸び悩むと38,500円を下回って取引を終えました。そのため100日移動平均線が上値抵抗線として意識されそうですが、一目均衡表の雲の下限(38,449円)を上回ったことで警戒ムードがやや後退することになりそうです。

なお、日本時間の21時30分に5月の米小売売上高が発表されるほか、22時15分には5月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)