【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 38,589.16 ▼57.94 (6/14)
NASDAQ: 17,688.88 △21.32 (6/14)
1.概況
先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は米ミシガン大学消費者態度指数の発表を受けて消費減速を警戒した売りが出たことや、政治不安による欧州株安も重石となり下落となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が買われたことで上昇となりました。118ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に341ドル安まで下落した後下げ渋ると昼過ぎに51ドル安まで持ち直しましたが、その後も引き続き軟調に推移すると結局57ドル安の38,589ドルで取引を終え4日続落となっています。また、S&P500株価指数も2ポイント安の5,431ポイントと5日ぶりに反落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は21ポイント高の17,688ポイントとなり、5日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
6月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値65.6と2023年11月以来の低水準となり市場予想も下回りました。5月の米輸入物価指数も前月比0.4%低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。米輸出物価指数も前月比0.6%低下となりこちらも市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスや素材、エネルギー、一般消費財・サービスなどの8業種が下げ、資本財・サービスが1%安となったほか、素材も1%近く下落しました。一方でコミュニケーション・サービスと情報技術、生活必需品の3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース[CRM]とアメリカン・エキスプレス[AXP]が1%以上上げました。一方でボーイング[BA]とダウ[DOW]が2%近く下げ、キャタピラー[CAT]も1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株の一角が高く、ブロードコム[AVGO]が3%を超える上昇となり、エヌビディア[NVDA]も1%以上上げています。主力ハイテク株ではネットフリックス[NFLX]が2%を超える上昇となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]も1%近く上げています。また、ソフトウエアのアドビ[ADBE]が決算で売上高などが市場予想を上回ったことで急伸し14%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%低い4.22%となりました。ドル円は157円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が下落となったことや、ドル円がやや円高となっていることもあり軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の38,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)