【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 38,747.42 ▼120.62 (6/11)
NASDAQ: 17,343.55 △151.02 (6/11)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に持ち高調整の売りが出て反落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は長期金利の低下を受けてハイテク株を中心に買いが入り続伸となりました。72ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に421ドル安まで下落した後下げ渋りましたが、上値は重く一日を通して軟調に推移すると結局120ドル安の38,747ドルで取引を終えました。一方でS&P500株価指数が14ポイント高の5,375ポイントとなり前日に続いて史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も151ポイント高の17,343ポイントとなりこちらも前日に続いて史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や公益事業、資本財・サービス、ヘルスケアなどの9業種が下げ、金融は1%を超える下落となりました。一方で情報技術とコミュニケーション・サービスの2業種が上げ、情報技術は1%を上回る下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は12銘柄が上げました。そのなかでもアップルが7%を超える上昇となり最高値を更新しました。前日の年次開発者会議(WWDC)で発表した新しい生成AI機能を評価し、アナリストが投資判断と目標株価を引き上げたことで大幅高となりました。一方で18銘柄が下げ、アメリカン・エキスプレス[AXP]が3%を超える下落となり、JPモルガン・チェース[JPM]とボーイング[BA]、ゴールドマン・サックス[GS]も2%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、後払い決済のアファーム・ホールディングス[AFRM]が11%高となりました。年内にアップルの決済サービス「アップルペイ」の米国内の利用者がアファームのサービスを使えるようになると明らかにしたことで買いを集めました。また、ゼネラル・モーターズ[GM]が60億ドルの自社株買いを発表したことで1%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は10年債入札の堅調な結果を受けて0.07%低い4.40%となりました。ドル円は157円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が反落となったことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の39,000円を割り込みそうで、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)