東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円安を受けて反発となりました。5円高の38,689円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げると10時50分前に227円高の38,911円まで上昇し188円高の38,872円で前場を終えました。一段高となり307円高の38,991円でスタートした後場の日経平均は13時10分に190円高の38,874円まで上げ幅を縮めましたが、その後14時10分前に397円高の39,081円まで上昇すると結局354円高の39,038円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

日立(6501)が一時5.0%高となり上場来高値を更新しました。傘下の日立エナジーが2027年までに送配電機器の増産に45億ドルを投資すると発表したことで収益の拡大を期待した買いが入りました。建機レンタル大手のカナモト(9678)も一時17.5%高となりました。国内の建設工事が堅調に推移し、主力の建機レンタルの需要が拡大したことなどにより上期の営業利益が前年同期比で16.2%増となったことで買いを集めました。また、米長期金利の上昇を受けて生保株が高く、第一生命ホールディングス(8750)が一時3.9%高、T&Dホールディングス(8795)も一時3.3%高となりました。さらに綜合警備保障(2331)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時5.3%高となり年初来高値を更新したほか、森永乳業(2264)も目標株価の引き上げを受けて一時3.1%高となっています。

一方でKADOKAWA(9468)が一時4.4%安となりました。子会社が運営する動画共有サイト「ニコニコ動画」などグループの複数のウェブサイトが利用できない事象が発生していると発表したことで大幅安となりました。gumi(3903)も一時7.2%安となり上場来安値を更新しました。スマホ向けゲーム「アスタータタリクス」の売り上げが想定を下回り、ソフトウエアとして資産計上していた開発費を全額減損処理したことなどで2024年4月期の最終損益が59億円の赤字に転落したことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は354円高となりました。5円高と小動きで始まりましたが、157円台前半まで円安が進んだことで上げ幅を広げました。前場は一目均衡表の雲の上限(38,910円)近辺で伸び悩みました。しかし、後場に入って一段高になると節目の39,000円を回復し、75日移動平均線(39,008円)も上回りました。そのため一段高への期待が高まりそうですが、39,000円を超えてくると利益確定の売りが出て押し戻される展開が続いているだけに39,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)