米ドル/円 戻りの限界をすでに確認したのか? 週間予想レンジ:155.00~157.50

先週(5月27日週)は伸び悩み

先週の米ドル/円は再度陽線を形成し、一旦157.79円をトライした。しかし、値幅は更に縮小し、安値は156.38円だった。そして始値が157.04円だったことを鑑みると、モメンタムの一段低下は否めない。5月3日の安値を起点とした切り返しをジグザグ変動の構造と見なした場合、すでに頭打ちを果たしたか、これから果たす可能性が大きいと考えられる。

今週(6月3日週)は頭打ちのサインを強化するか

5月16日のサインが効いてくるのであれば、早期の大幅な続伸が望ましかった。しかし、先週の米ドル/円は、5月14日高値の156.77円を上回っていたものの、モメンタムの増加が見られなかったため、今週更に失速してくる可能性がある。この場合は何らかのサインを点灯してくるだろう。

テクニカル視点:切り返しによるモメンタムの低下は、次なる大きなサインを点灯

5月1日の米ドル/円は、大陰線をもって下放れを果たしたため、4月29日の大陰線が示したトップアウトのサインを証明した。

だからこそ、従来の想定と異なり、5月15日の高値156.56円の上に定着するような値動きが続いた場合、当面は上値余地を想定しておく必要があり、また場合によっては、前述のトップアウトのサインに「脅威」を与える可能性がある。

しかし、先週の高値トライがあったものの、モメンタムの一段低下が見られた分、今週大幅な続伸がなければ、必然的に頭が重くなり、また頭打ちのサインを形成するだろう。また、5月30・31日が「インサイド」のサインを形成し、上放れではなく、もし今後下放れを果たす場合、一段と蓋然性を強化するだろう。その反面、上放れした場合は一旦158円台半ばまで上昇する余地があり、頭打ちの後ずれもあり得るだろう。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円 高値再更新もあり得るが、上値限定の公算が高い 週間予想レンジ:103.50~105.50

先週(5月27日週)は強含みの変動を示し、上値志向を示唆

先週の豪ドル/円は週足では陽線を形成し、更に一旦先々週の安値を更新してから再度104.88円まで上昇したため、強含みの値動きとなり、上値志向の強さを示唆した。

今週(6月3日週)は一旦高値更新する公算ながら上値余地限定か

豪ドル/円は基本的に米ドル/円に連動した値動きだったが、最近豪ドル対米ドルの影響を強く受けている。米ドル/円が頭打ちを果していないうちに、豪ドル対米ドルの強含みの変動で豪ドル対円の上値志向を強めた。また、週足では「強気リバーサル」のサインが点灯されたこともあって、一旦年初来高値の再更新がある可能性もあるだろう。ただし、上値を追う展開になるには米ドル/円の上値追いを前提条件とするだけにハードルが高いと考えられる。

テクニカル視点:高値再更新、あるいは吹き値があっても高値を追えない

4月29日の豪ドル/円の日足は大陰線となり、また4月24日~26日の罫線と「アウトサイド」の関係を示したため、同日高値から一転して急落した分、典型的な「弱気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯した。従って、再度高値更新があれば、基本的に強気基調の一段延長とみなせるだろう。

豪ドル/円の日足では、5月31日の切り返しによって5月30日の陰線が「フォールス・ブレイクアウト」、即ちサポートゾーンの確認を果たしたことになり、上放れする構造にある。従って、今週一旦米/ドル円に対して150円半ばの打診があったとしても、豪ドル/円への影響は許容範囲内であり、豪ドル/円は強気基調を維持するだろう。

その半面、高値を追うことには躊躇しており、米ドル/円の大幅上昇なしでは円売りに限界があり、また吹き値があれば、ロング筋にとってむしろ利益確定の好機とみなすだろう。適切なレベル感を保ちたいが、豪ドル/円は、最大一旦106円台の打診も想定しておきたい。

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成