・失業率・求人率からは、雇用の好況サイクルはスローダウンしていることがうかがえる。銀行の融資態度指数も「引き締め」局面の真っただ中だ。実際の融資額の増減は融資態度指数に12ヶ月遅れて出てくるため、融資額は今後鈍化するだろう。
・経済力による格差も指標に出ている。大企業の景況感(ISM製造業景況感)は、中小企業景況感より高く、かつ、両者の間で開きが出始めている。ミシガン消費者センチメントも、富裕層の方が非富裕層より高い。富裕層より非富裕層の方が、金利上昇による負担増が重くのしかかっていることを示唆する指標もある。
・実態経済に鈍化傾向や格差の兆候が見え、FRB(連邦準備制度理事会)の利下げも意識される状況では、ポートフォリオに債券(金利低下により価格が上昇)を組み入れることも選択肢に入る。株式市場では2024年に入り、それまでのグロース優位からバリュー優位になっていることにも留意したい。