一昨日5月8日に、東京大学本郷キャンパスの小柴ホールにて、東京大学応用資本市場研究センターが初めての政策提言を記者発表しました。東京大学応用資本市場研究センターは、昨年私が個人的に(正確には株式会社松本という私の資産管理会社が)寄付を行い、それを基に設立されたエンダウメント型のリサーチセンターで、英語名は UTokyo Center for Applied Capital Markets Research、その頭文字を取って略称をUTCMRといいます。
政策提言の詳細は、以下のリンクから見ていただきたいのですが、簡単に云うと、上場企業の配当金の損金算入を認めよ、というものです。そうすれば配当が増え、株価が上がり、国民年金資産が増え、企業の買収能力も人材採用能力も高まり、日本株に対する投資から円安を止める効果も期待でき、また資産効果から国内消費も増え、日本経済の大いなる活性化に繋がる。
一方企業側に着目すると、経営者は利益を内部留保する理由が減り、なぜなら配当を払えばその部分に減税を受ける訳ですから、少なくとも内部留保をする場合にはその説明を求められ、基本は増配することによってお金が社会に環流して活用(消費や違う投資)されるか、或いは増配の替わりに成長投資にお金が振り向けられるように促され、即ち企業経営者のマインドセットに前向きになるプレッシャーを与え、日本の企業部門が新しい時代に向けて変革していくことを後押しする。そのような提言です。
私は常々思っているのですが、三大経営資源であるヒト・モノ・カネについて、日本ではどれも最適配置されていないにも関わらず、GDP世界第3位もしくは4位であるのは、あたかも鉄ゲタを履いてマラソンをして銅メダルを取っているようなものです。ですからその経営資源をより良く再配置するだけで、日本はまだまだイケると思うのです。
配当の損金算入によって、「カネ」を最適配置に向かわせることを動機付けることは、日本再生に大きく貢献出来る筈です。何よりも即効力で株高を演出し、風景を一変させるでしょう。私はUTCMRではあくまでもアドバイザーに過ぎませんが、その活動を支援していきます!
(東大からの発表)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z1701_00003.html
(実際の政策提言レポート)
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400239903.pdf