東京市場まとめ

1.概況

先週末の米国市場にて主要指数が揃って反発した流れを引き継ぎ、日経平均は420円高の34,006円と反発で寄付きました。日経平均は先週11日に1,000円超下落しており、自律反発を狙った買いも相場を支えました。朝方は上げ幅を拡大し、9時12分に740円高の34,325円をつけ本日の高値を更新しました。その後は戻り待ちの売りにも押され、上げ幅を縮小する場面が見られるも529円高の34,115円で前引けとなりました。

後場は円高の一服感も相まって、持ち直して推移するも、次第に上げ幅を縮小する展開となりました。上値の重さが意識され、大引けにかけて上げ幅を縮小すると、最終的には396円高の33,982円と節目の34,000円台を割り込んで引けました。

新興市場では東証グロース250指数が0.4%高で3日続伸となりました。

2.個別銘柄等

村田製作所(6981)は1.7%高の2,028.5円をつけ反発となりました。トランプ米政権は、相互関税の対象からスマートフォンや半導体製造装置といった電子関連製品を除外するとし、ハイテク製品に対する高関税が当面は回避されるとの期待感から買いが優勢となりました。

良品計画(7453)は2.1%安の4,322円をつけ続落となりました。11日、2025年3月~8月期(下期)の営業利益は前年同期比3.5%減となる見通しを発表しました。前期では利益を押し上げた円安効果の剥落や、中国での景気減速懸念が売り材料となり、株価は軟調に推移しました。

くら寿司(2695)は2.0%高の3,360円をつけ3日続伸となりました。大阪・関西万博が開幕し、万博会場での同社店舗における待ち時間は8時間越えと伝わり、万博関連銘柄として買いが集まりました。

イオン(8267)は4.0%安の3,929円をつけ5日ぶりに反落となりました。2026年2月期(今期)の当期純利益は前期比39.0%増の400億円を見込むと、良好なガイダンスを発表するも前営業日までに株価は急伸していた反動もあって、利益確定の売りが優勢となりました。

半導体検査装置のレーザー光源等を開発するオキサイド(6521)は10.6%高の1,213円をつけ3日続伸となりました。14日、2026年2月期(今期)の最終損益は7,400万円の黒字を見込むとし、前期は27億円の赤字からの黒字転換を評価する買いが入りました。米中の関税の応酬や輸出規制について、中国の半導体製造会社が米国から調達先を変更することで、同社への引き合いが増加しているとの説明もあり、買い安心感が株価を支えました。

VIEW POINT: 明日への視点

スマートフォンや半導体関連への関税適用除外により、ハイテク株が買われました。一方で、ラトニック米商務長官はスマートフォンなど電子関連製品について、今後予定される半導体関連に焦点を絞った新たな分野別関税の対象になると話しており、依然として警戒感があるものと考えられます。

明日に向けての材料は、米ゴールドマン・サックス[GS]の決算発表があげられます。ある程度、良好な決算内容が予想される中で、先行きの市況や経済見通しへの発言に注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)