【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,852.27  △176.59 (5/6)
NASDAQ: 16,349.25  △192.92 (5/6)

1.概況

昨日の米国市場は米雇用統計を受けて利下げ開始が先送りになるとの懸念が後退したことを好感した買いが先週末に続き入り続伸となりました。86ドル高でスタートしたダウ平均は直後に210ドル高まで上昇した後利益確定の売りが出て伸び悩むと昼過ぎに13ドル高まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し結局176ドル高の38,852ドルで取引を終え4日続伸となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も192ポイント高の16,349ポイントと3日続伸となっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産を除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術とコミュニケーション・サービス、金融、一般消費財・サービス、資本財・サービスが1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

半導体大手のマイクロン・テクノロジー[MU]が投資判断と目標株価の引き上げを受けて4%を超える上昇となりました。他の半導体株にも買いが波及し、エヌビディア[NVDA]とアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も3%を以上上げたほか、ブロードコム[AVGO]とウエスタン・デジタル[WDC]も2%を上回る上昇となっています。また、主力ハイテク株も堅調で、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]とネットフリックス[NFLX]が3%高となり、テスラ[TSLA]も2%近く上げています。アマゾン・ドット・コム[AMZN]とマイクロソフト[MSFT]も1%以上上昇しました。さらにメディアのパラマウント・グローバル[PARA]がソニーグループ(6758)と米投資ファンドから買収提案を受け取り、協議を正式に始めると決めたと伝わったことで3%余り上げています。一方で食肉のタイソン・フーズ[TSN]は決算で売上高が市場予想を下回ったことで5%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は先週末比0.03%低い4.48%となりました。ドル円は153円台後半で推移しています。4月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を下回ったことから利下げ開始が先送りになるとの観測が後退し、3日には一時151円台を付ける場面もありました。

VIEW POINT: 今日の視点

2日の米国市場でダウ平均はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が前日に再利上げに否定的な見方を示したことを好感した買いが続き322ドル高となりました。また、3日もダウ平均は4月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回ったことで利下げ開始が先送りになるとの懸念が後退したことから450ドル高となりました。そして昨日も176ドル高となり、3日間トータルでダウ平均は948ドル高となっています。そのため本日の日本市場は大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(2日時点で38,832円)を上回り、節目の39,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)